腰痛になると1000万円以上の損失…?腰痛とお金の話

みなさんこんにちは!上野・稲荷町にありますボディケア・整体院urokoの魚住です。

今回は「腰痛と資産形成」についてお話ししてみようと思います。

いきなり「腰痛と資産形成?」と言われても、あまりピンとこない方も多いかもしれません。

私は過去18年、整骨院・整体院で勤務し、多くの患者さんの施術を行ってきました。

その中には自虐的に「これまで何百万と身体を治すのにお金を使ってきたよ」とおっしゃる方がいます。

確かに腰痛や肩こりで長年悩まれていれば、病院でのMRIや投薬に始まり、整骨院・整体院で複数回の通院。

さらに良い施術を求めて腕利きの先生の元へと行き、気が付けば…といった話はよくある話です。

実際、田舎にいる父も私が日頃施術ができないため、地元の整骨院に通っています。

そこで、なかなか良くならず知人に「紹介された整体院で高額の施術を受けてきた。」

なんて話が身内でもあるのですから、きっと他にもこのような境遇の方はいらっしゃるのでは、ないかと思いこの記事を書こうと思いました。

さかなくん

地方にお住いの方がこの傾向が強いように思います。

ちなみに私の地元は整骨院の先生が高齢になりどんどん廃業しているそうです。

今日は、腰痛や肩こりがどれほど経済的な損失をもたらしているのか。そして、日々のケアや予防の取り組みを行うことで、なぜ「資産を守ること」につながるのかを、データを交えながらお話ししていきます。

腰痛は「誰にでも起こる」国民的症状

腰痛は、世界保健機関(WHO)も「世界で最も多い運動器の不調の一つ」と位置づけています。

日本でも、生涯で腰痛を経験する人の割合は約80%。

つまり、ほとんどの人が一度は腰痛を経験するということです。

さかなくん

2024年の国民生活調査によると罹患率1位が”腰痛”で2位は”肩こり”です。

特に問題になるのが、「一度良くなっても繰り返す」タイプ、いわゆる慢性の腰痛です。

2011年の日本の研究によると、4日以上仕事を休む原因の約6割が腰痛関連であり、さらに腰痛患者の37%以上が仕事によって起こる腰痛と報告されています。

実際に私が過去にみてきた中では仕事中に痛めた腰痛が原因で1か月の長期で休みを取られている方がいました。

さらに現実には仕事中に痛めても労災認定されなかったり、申告しない人も多いでしょうから、実際の患者さんの数はもう少し多いかと思われます。

その場合の費用負担というのは少なくはありません。

スウェーデンでの研究:1人あたり約843万円を生涯で損失?

2017年にスウェーデンで行われた研究(Gunnar Olafssonら)では、

腰痛患者一人あたりの社会的コスト(治療費+仕事を休む損失)を47,452ユーロと算出しています。

2016年、研究当時のレートで換算すると約615万円、

現在(2025年10月時点)のレートでは843万円に相当します。

注目すべきはその内訳です。

なんと57%が「間接コスト」、つまり仕事を休む・生産性が下がる・早期退職を余儀なくされるなど、「見えない損失」が多くを占めています。

金額にすると今のレートで約480万円です。

さらにこの研究では、「腰痛によって2.7年分の健康寿命が失われる」とも報告されています。

直接的な医療費だけでなく、人生の「元気に動ける時間」まで削られているというわけです。

アメリカでは:1回の入院で100万円超のコスト

アメリカの研究では、腰痛による入院率は約3.2%。

1回あたりの入院費は9,231〜11,433ドル(約92〜115万円)と報告されています。

アメリカの医療にかかる費用が膨大な事は周知の事実で、日本とは異なる点が多数ありますが、スウェーデン同様ここにも生産性の低下を含めると、多くの資産が失われる結果となっています。

欧州やアメリカでは、腰痛が国全体の経済を圧迫する問題としても取り上げられています。それほど、腰痛による損失は大きいのです。

日本でも膨らむ「見えない損失」

次に日本のデータを見てみましょう。

2011年時点の研究では、腰痛に関わる医療費は年間8365億円にのぼります。

このうち「仕事に関連する腰痛」が約1割(821億円)を占めています。

その内訳を見ると、

・入院費:約265億円

・外来費:約557億円

入院費・外来費の内訳が

・脊柱症:約364億円

・椎間板ヘルニア:約359億円

・腰椎症・坐骨神経痛:約98億円

となっています。そのなかでも男性の方が女性より約1.7倍高いという結果も出ています。

さかなくん

男性の方が力仕事に従事する方が多いのも男女差の要因のようです。

2002年から2011年にかけて金額は増加しており、患者数自体はさほど変わらない為、一回の施術の単価が上がっていることが分かります。

さらに重要なのは、これらの数字には「仕事を休むことによる損失」「仕事には行っているが生産性が落ちている状態」「市販薬・マッサージ・整体・通院交通費」などが含まれていないという点です。

つまり、実際の社会的損失はこれ以上に大きいと考えられています。

腰痛が「資産形成」に与えるインパクト

ここまで見ると、腰痛は単なる身体の問題ではなく、経済的な問題でもあることが分かります。

たとえば、

・腰痛で年に3〜5回、整形外科を受診しMRIなどの画像診断を受ける

・マッサージや市販薬、湿布代を年間3万円

・仕事を休むことで年に数万円の収入ロス
といった積み重ねが、10年、20年と続けば、簡単に100万円単位の損失になります。

さかなくん

また年2%ずつ物価の上昇は進んでいて、ますます医療費が高騰する恐れもあります。

さらに痛みが続けば運動量が減り、筋肉量の低下や代謝の低下、肥満、生活習慣病といった次のコストが発生する悪循環に入ります。

つまり、「痛みを放置する」ということは、

「見えない出費を払い続けること」でもあるのです。

仮に腰痛関連の痛みで年間12万の出費が30年続いたとすると施術に関わるコストが360万円。

これに隠れコストが57%乗ってくると+477万程かかるので30年で837万円損失してしまう可能性があります。

837万円というと、月々の金額に治すと2.3万円の損失です。(治療費・薬代が約1万円と隠れコスト1.3万円として)

仮に月2.3万円を30年に渡って利回り3.5%ほどのインデックス投資をしていた場合は”なんと1447万円”にもなります。

あくまで机上の空論ですが、腰痛対策を行うだけで将来これだけの資産を失ってしまう可能性がある事だけは頭に留めておいてください。

“予防”は最高の投資

ではどうすればこの損失を防げるのでしょうか。

答えはシンプルで、「早期ケア」や「予防的施術」です。

スウェーデンでは、腰痛が再発しやすい人への対策や、職場での ergonomics(作業姿勢の最適化)が積極的に行われているそうです。

「症状を治す」ことだけでなく、「間接コストを減らす」こと。

スウェーデンでは会社・社会全体が「予防は投資である」と認識しているのです。

日本ではまだまだ、その辺の対策は遅れている感は否めないですが、自分自身でデスクの高さを調整したり、座り方や物を持つ時の姿勢を工夫するという事は出来るはずです。

また整体やボディケア、自宅でのストレッチなどを上手く取り入れることで、

・長期的な痛みを防ぐ

・仕事を休まずに済む

・趣味や家族との時間を維持できる

こうしたことが実現できれば、結果として資産を守ることにつながります。

「健康資産」は目に見えないが最も大きい

人が一生のうちで医療やケアに使う費用は膨大です。

しかも腰痛だけでなく、歯医者さんに行ったり、内科、耳鼻科、眼科など人それぞれ不調のある個所は違うため、重なれば重なるほど費用は増えていきます。

しかし、それをすべて「症状が出てから」使うのか、「元気なうちに予防として」使うのかでは、結果がまったく違ってきます。

たとえば月に1回、定期的な施術で体を整え、痛みや不調を予防できれば、

年間数万円の投資で将来的な医療費・休業損失を何十万円と減らすことができます。

健康を守ることは、「支出を減らす最も確実な方法」

そして、身体が元気でいる時間を増やすことは、最大の資産形成と資産防衛だと言えます。

さかなくん

何においても自力で歩けるという事が最も重要です。

歩けなくなってからの老化は本当に早いです。

さらに言うとシニア世代になった時に「毎日外出したり趣味に費やす生活」と

筋力低下や脊柱管狭窄症など抱え「一人で外出、できずに日々テレビを見て自宅過ごす」のかは、今の過ごし方が影響しているのは、言うのは他でもありません。

まとめ

腰痛や肩こりの治療・施術費は、単なる出費ではありません。

放置すれば、仕事の生産性を下げ、医療費を増やし、人生の充実度を下げる「見えない損失」になります。

一方、定期的な施術や運動習慣の継続は、将来的な医療費・介護費を抑え、健康な時間を増やす「最高の投資」です。

またこれまで18年現場に出続けてきてシニア世代で元気な方は、お話をしていてもゴルフに行ってきたとか、友人と食事に行ってきたとか楽しかった出来事を共有していただくことが多いです。

しかし身体の節々が痛くなってくると「生きていても楽しくない」「毎日テレビを見ているだけでつまらない」なんて発言も聞こえてきます。

痛みが長く続くと、心にまで影響することは間違いありません。

これからの時代、「お金の資産」だけでなく、「身体の資産」をどう守るかが問われています。

「身体を気に掛けることは、まさにその第一歩。」

今、抱えている腰痛をただの痛みとして見るのではなく、人生全体の中で見直すことも資産と健康を作る上で重要になるのでは、ないでしょうか。

この記事を書いた人

魚住 享平
魚住 享平urokoBodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)

これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。

<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦

最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています