ぎっくり腰で絶対安静は間違い?3万人を施術したプロが教える痛みを緩和させる正しい自宅ケア

みなさんこんにちは。
上野・稲荷町の整体院urokoの魚住です。
ある日突然、腰に激痛が走り、一歩も動けなくなる「ぎっくり腰」。
トイレに行くのも一苦労で、「このまま治らなかったらどうしよう…」と不安になりますよね。
そんな時、痛いからといって一日中ベッドでじっと寝ていませんか?
実はそれ、逆効果かもしれません。最新の研究では、過度な安静は回復を遅らせる大きな原因になることが分かっているのです。
この記事では、のべ3万人以上の施術実績を持つ私が、自身の経験と最新の論文を元に「最短で動けるようになるための正しい過ごし方」を解説します。
一刻も早く痛みを和らげたい方は、必ず最後まで目を通してください。
目次
ぎっくり腰とは?
「ぎっくり腰」とは医学的には急性腰痛と呼ばれ、突然起こる腰痛のことを指します。
多くは数日〜数週以内に改善していく症状です。
重い物を持ち上げたり、スポーツ動作で痛みが出たりという事もありますが、多くは日常の些細な動作で発症することがほとんどです。
※トイレからの立ち上がる際。くしゃみをして。親の介護で身体を支えた時など
急性腰痛の経過については系統的レビューでまとめています。 (Pengel ら(2003, PMC169642)や、Costa ら(2012, PMC3414626))
それらによると、
・多くは数週間以内に自然軽快する
・一部は数ヶ月持続することもある(慢性化リスクは約10〜20%とされるが幅がある)
・予後は比較的良好だが、初期対応で回復速度に差が出る
という点が指摘されています。
ぎっくり腰の原因(論文の結果)
急性腰痛の正確な発生機序は、論文でも「一つに特定するのは困難」とされています。
Costa ら(2012)も、急性腰痛は多因子性であり、画像検査を行っても多くの症例で明確な損傷は見つからないと述べています。
現在の研究からわかっている可能性の高い原因は以下の通りです。

有力とされる要因(複数が重なる)
・関節包や靭帯の微小損傷(ただし臨床では確定しにくい)
・筋・筋膜の急激な負荷
・姿勢ストレスの蓄積
・不安やストレスなど心理社会的因子(Pengel 2003)
不確実だが候補とされているもの
・軟部組織の炎症反応
・腰椎椎間関節の軽度の機能障害
・筋の痙縮による防御反応
以上が論文上の原因です。
ぎっくり腰の原因(魚住の考え)
論文上でも原因が示されていたましたが、私はもう少し絞ってぎっくり腰の原因を考えています。
結論から言うと私は基本的には腰痛の原因は通常の腰痛と変わらないと考えています。(急性のヘルニア、滑り症、分離症などは除く)

そのため、ぎっくり腰であっても
・筋・筋膜性(皮膚、皮下組織含む)
・椎間関節
・仙腸関節
・椎間板性
が原因だと考えています。
先ほどお伝えしましたが、ぎっくり腰の原因の多くは日常の些細な動きが元になっての痛みです。
日頃から負荷がかかっていた組織が刺激に耐えられなくなり発症したものであれば、慢性的な腰痛と原因部位は変わらないはずです。
すなわち通常の腰痛と同様にどこに負荷が掛かっていて(1つの組織なのか?複数なのか?も含む)痛みを引き起こしているのかを考える事が重要です。
スポーツなどで痛めた際は炎症の程度が強くなったり、骨盤や椎間関節付近の靭帯などの損傷も含まれるものとは思いますが。
ぎっくり腰解消に重要なポイント
みなさんは、これまでぎっくり腰になった時に痛みが引くまで安静にしていた経験はありませんか?
しかし最新の研究結果では以下のような結果が出ています。
・長期の安静はむしろ回復を遅らせる
・痛みの許す範囲で活動を続ける方が機能回復が早い
・ベッドに横になる時間は最小限にする
痛みが非常に強い最初の24〜48時間は痛みに応じて少しずつ動くことが重要だという結果が出ています。
実際に私も現場で過去に多くのぎっくり腰の方を見て来ましたが、どうしても動けないケースを除き出来る限り動いて頂いた方が治りが良いケースを何度も見てきました。
炎症タイプと可動域・柔軟性低下タイプ
ぎっくり腰もタイトルの通り大きく分けて2つに分けられると私は考えています。
①日常の延長で筋肉が固まった、関節が動かなくなったケース
②なんらかの強い負荷が加わり組織の損傷と炎症が起こっているタイプ
これによって安静か?積極的に動くか?はたまた施術の内容までも変わってくると考えています。

①のタイプはあくまで日頃から負荷が掛かっていた所が悪化した状態で比較的炎症や組織の損傷は起こっていないものと考えます。(微細な炎症は除く)
このタイプは論文の示す通り、積極的に動けるものは動き、施術に関しても患部や患部付近の、筋肉や関節に対しての問題をクリアにしていく必要があると思います。
②のタイプは組織の損傷と炎症を強く起こしているため(足首の捻挫などのイメージ)動く事によって患部に刺激が入り炎症が引かない為、アイシングや痛み止めを使用するなど、①タイプよりは安静の度合いが高くなるものと思います。
施術においても組織に対しての直接的な施術は炎症を増長させる可能性があるため、患部以外の場所に対して施術を行い、患部の修復が早まる手助けをするという内容に変わります。
①も②も基本線は動ける範囲は動くですが、①と②によっても対処法や施術は変える必要があると私は考えています。
自力でできること・セルフケア
ぎっくり腰のセルフエクササイズは複数の医療機関が患者向け資料を公開しています。
これらの論文に共通しているポイントは、
・短時間・軽い運動をこまめに行う
・痛みが鋭く増す動きは避ける
・運動はあくまで痛みの許容範囲で
という点です。
しかしこの運動に関しても程度の違いはあるものの先ほど②で示した組織の損傷・炎症タイプの症状ではとても動けないのでは?と思ってしまいます。
少しの体勢の変化や腰まわりに力が入る、ひどい場合は触れるだけでも痛いため、下記のような運動は難しいと私は思います。
あくまで①の筋肉や関節の硬さが強くなり痛みが起こるタイプにのみ適応だと思います。
ぎっくり腰の時の体操・ストレッチ
以下は、論文に示されている体操やストレッチです。
恐らくこの動きが可能なのは炎症が起こっていないタイプのぎっくり腰の方になると思います。

炎症が起きていないタイプのぎっくり腰の方へ
① 膝抱えストレッチ(Knee-to-chest)(EMUpdates PDFより)
・仰向けで片膝を胸へ引き寄せ5秒保持
・左右10回ずつ
・腰の負担が少なく可動域を回復しやすい
※鋭い痛みが出た場合は中止
② 骨盤傾斜(Pelvic Tilt)(Allina Health PDFより)
・仰向けで腰を軽く床に押し付け5秒
・10回 × 2セット
・腰椎の安定化に効果があるとされる
③ ブリッジ(Hip Bridge)(EMUpdates PDFより)
・仰向けで骨盤をゆっくり持ち上げる
・3秒保持 × 5回
・臀部・ハムストリングを使い腰部の負担を減らす
④ 四つん這いでの背中の丸め伸ばし(Cat–Cow)
・ゆっくり背中を丸め、ゆっくり反らす
・痛みの許容範囲で5~10回
あくまで全ての動きにおいて強い痛みが出る時は中止してください。
出来る範囲で構いませんが、少しでも可動範囲や筋肉の動きが取り戻せれば、腰の負担を下げる事が出来ます。
炎症が起こっているタイプのぎっくり腰
このタイプは受傷直後や2~3日くらいまでは強い痛みが続く事が予想されます。
その場合は体操というより日常生活レベルで動きを考えると良いと思います。
①同じ姿勢を続けない
痛みが強い時は横になっている時間が増えるのは仕方ありませんが、同じ姿勢が続いた場合は筋肉や関節の動きが低下します。
そのため体勢を変えようとしても痛みが強く動けない…なんて事にもなりかねません。
患部に負担を掛けない事は大事ですが、極力同じ姿勢を避けて時々寝返りを打つ。座って過ごす時間も作るなど同じ姿勢を続けない事も重要です。
②寝ながら深呼吸を行う
横になりながらでも深呼吸を行うことで筋肉の緊張を和らげることもできます。
呼吸の際には横隔膜が働き、横隔膜は腰椎の前方から股関節に繋がる大腰筋とも接続しています。
そのため呼吸を行うことで腰の負担を軽減できるため、身体は動かさずとも仰向けで膝を立てた状態で深呼吸を行う事も重要です。
③腕を動かす
こちらも仰向けで片手だけを動かしたり、両手バンザイの姿勢を行うことで胸郭や背骨の動きでも少しでも確保することが出来ます。
この時も膝を曲げた状態で行うことで腰の負担を最小限にとどめます。
④両ひざを横に倒す運動
こちらも仰向けで膝をくっつけ、ゆっくりと左右に倒していきます。
この動きはこの4つの動きでは負荷は強い方なので、症状に合わせて行ってみてください。
痛みが強い時の無理は禁物です。その場合は翌日に行ってみるなど調整してみてください。
この中で最も大事なのは①の同じ姿勢を続けないことです。
適度に姿勢を変えながら、いることで適当に身体も動かす事となり結果的には腰の運動になります。
とにかく出来る限り体勢を変えて腰の負荷を減らす努力を行ってみてください。
また動けるようになってきたら上記の筋肉や関節が固まった場合の体操も取り入れていくことも重要です。
整体・施術はしても良い?
こちらも状況に応じてという事になります。
どちらも施術出来ないことはないと思います。

炎症が起きていないタイプの腰痛であれば、状況をみながら筋肉をほぐしたり、関節を動かすことは良いと私は考えています。
動きを失った筋肉や関節が動くようになることで、腰の痛みを緩和することができるかと思います。
しかし炎症系の場合は患部の施術は炎症を増強させる可能性があるため、周囲の動きを取り戻し患部の修復を促すことになります。
その場では周囲の筋や関節が使いやすくなり、痛みの軽減はあっても痛みがその場で無くなることはないかと思います。
※なくなるようであれば炎症・損傷が起こってないパターンの場合かと思われます。
ぎっくり腰でしてはいけないこと
論文上明確に否定されているのは 「長期の安静」 です。
Dahm(2010)では、ベッドレスト群は活動継続群より回復が遅れるという報告があります。
してはいけないこと
・ベッドで寝たまま過ごす(長時間の安静)
・急に腰を強くひねる動作
・痛みをこらえて重い物を持つ
・強いマッサージ
・不安を煽る情報に触れ続ける(心理因子が悪化要因になる可能性がある:Pengel 2003)
まとめ 正しい知識が回復を早める
ぎっくり腰は突然の激痛で不安になりますが、 正しい対応をすれば元に戻らない症状ではありません。
・多くは数週で改善(Pengel 2003, Costa 2012)
・長期安静より、痛みの許容範囲で動く方が有利(Dahm 2010)
・自宅での軽い運動は有用(EMUpdates / Allina Health)
・強いマッサージは避けるのが安全(Geisser 2005)
・ぎっくり腰にも2パターン存在し組織の損傷・炎症をともなうもの、ともなわないものがある。
・組織損傷・炎症を伴っていないのであれば、施術は様子を見ながら積極的に行っても良いと魚住は考えている。
以上がぎっくり腰の際の痛みの原因や自宅での対処法の解説でした。
痛みが出てからのケアも大事ですが、もっと大事な事はぎっくり腰を起こさない事です。
日頃から股関節や脊柱の柔軟性を高めたり、筋肉を動かす習慣をつけておくことでぎっくり腰や腰痛を予防できます。
多くのぎっくり腰の方を見て来ましたが、症状が出た後は本当に辛そうです。
私自身も昔ぎっくり腰になった際は本当に辛い思いをしました。
やはりそうなる前に対処しておくことで、QOLの低下や仕事への影響を避ける事が幸せに暮らすためには重要だと感じます。
ぎっくり腰の方はこちらの記事もご覧ください。
この記事を書いた人

- urokoBodyCare院長
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<資格>
柔道整復師(施術歴18年)
これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。
<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦
最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています








