肋骨が動かないことで、身体に起こる悲劇とは?

みなさんこんにちは!

上野・稲荷町のボディケア・整体院urokoの魚住です。

突然ですが日頃から「深呼吸がしづらい」「背中が張る」「腰が重い」こんなお悩みありませんか?

実はそれ“肋骨(ろっこつ)”の動きが悪くなっているかもしれません。

肋骨の調整
さかなくん

日頃、肋骨の動きは意識されることが無いと思いますが、身体を側屈や回旋させた時に伸びない感覚がある方は肋骨の動きが低下している可能性があります

肋骨は呼吸のたびに上下に動いて肺が膨らむのを助けています。

でもこの肋骨の動きが硬くなると、呼吸が浅くなり、身体の様々なところに負担がかかります。

この辺りをこの後、解説していきます。

肋骨と筋肉の関係

肋骨は「動く骨」

肋骨というと「内臓を守る骨」というイメージが強いですが、役割はそれだけではありません。

実際には肋骨は呼吸のたびに小さく動いています。

息を吸うときは肋骨が少し上に持ち上がり、息を吐くときには下に下がります。

この動きを助けているのが「肋間筋(ろっかんきん)」という筋肉です。

肋間筋は肋骨と肋骨の間にあり、吸うとき・吐くときのどちらにも働きます。

しかし、まずこの筋肉が硬くなると、肋骨が動かなくなり、「呼吸が浅い」「胸が広がらない」と感じやすくなります。

呼吸が浅くなると、酸素の取り込みが減るだけでなく、肩や首の筋肉まで無理に動員されるため、肩こりや首の張りにも繋がってしまいます。

腹斜筋(ふくしゃきん)が肋骨を引っ張る

もうひとつ大事なのが「腹斜筋(ふくしゃきん)」です。

お腹の横を斜めに走っている筋肉で、表層には外腹斜筋と深部には内腹斜筋の2層に分かれています。

外腹斜筋も内腹斜筋も基本は肋骨の中盤から下部に付着するため、硬くなると肋骨を下方向に引き下げてしまいます。

私のカラダ…ではありません(^^;

つまり、腹斜筋がギュッと縮んだ状態では、

肋骨が下がって「胸がつぶれたような姿勢」になりやすいのです。

胸が閉じると、吸うときに肋骨を持ち上げる動きが出にくくなるので、

自然と呼吸が浅くなり、体幹(お腹まわり)の動きも固くなります。

こうした状態が続くと、背中の筋肉(脊柱起立筋や多裂筋など)に常に負担がかかり、

腰痛や背中の張りにつながります。

実際の研究でも、腹斜筋の緊張が強い人ほど胸の広がりが小さく、

呼吸量が減ることが確認されています(Journal of Applied Physiology, 2021)。

さかなくん

実際に現場で施術をしていても、腹斜筋が過度に収縮し腰痛を引き起こしているケースは少なくありません。

また腰痛の方は腹斜筋と腹直筋の間に癒着が起こり、身体が前下方に引っ張られてしまうケースもあります。

その結果、腰椎の前弯が強くなり腰痛が引き起こされたり、腰椎の横にある小さな関節(椎間関節)が滑走障害を起こし痛みが出ることもあります。

前鋸筋(ぜんきょきん)も呼吸を助けている

前鋸筋は、脇の下から肋骨の外側にくっついていて、肩甲骨を前に引き出す筋肉です。

ボクサーがパンチを出すときに働くことから「ボクサー筋」とも呼ばれます。

この筋肉も実は呼吸に深く関わっています。

さかなくん

興味がある方は井上尚弥選手の画像を検索してみて下さい。一般の方では見られないほどの筋肉の隆起を感じます。肩甲骨の動きにも関わる重要な筋肉です!

息を吸うとき、肋骨を外へ広げる動きをサポートしてくれています。

ただし、デスクワークやスマホ姿勢(いわゆる巻き肩の状態)が続くと、この筋肉が過剰に使われて固まり、肋骨が外に広がらなくなってしまいます。

すると、呼吸が浅くなるだけでなく、肩甲骨・肋骨の動きまで悪くなり、肩こりや猫背の原因にもなってしまいます。

肋骨の動きと内臓の関係

肋骨の内側には心臓・肺・肝臓・胃などの臓器があります。

これらの臓器は膜(まく)でつながっており、

その滑りが悪くなると肋骨の動きまで制限されることがあります。

たとえば、胃や肝臓の周りで癒着が起こると、右側の肋骨が動きにくくなり、結果的に右の肩や腰に張りが出やすくなるケースもあります。

このように内臓の動きが悪いと、表面の筋肉をいくら緩めても肋骨の可動性は戻りにくい事もあります。

肋骨だけでなく横隔膜や内臓まわりの動きも一緒に整えることが大切です。

(参考:Sato et al., Journal of Bodywork and Movement Therapies, 2019)

呼吸が浅くなると、カラダが“緊張モード”になる

肋骨が動かなくなると、呼吸は自然と浅くなります。

浅い呼吸は「交感神経」を優位にして、身体が常に緊張状態になってしまいます。

その結果、背中や腰、肩がいつも力んでいるような状態になり、慢性的な疲労感や痛みを感じやすくなります。

「呼吸が浅い」「ため息が増えた」「寝ても疲れが取れない」

そんなときは、筋肉や骨ではなく、肋骨の動きに原因があるかもしれません。

肋骨が動くと、呼吸も姿勢も変わる

肋骨がしなやかに動くようになると、自然と呼吸が深くなり、姿勢も変わっていきます。

胸が開き、背中がスッと伸びる。

結果的に首や腰への負担も減り、全身の動きが軽くなります。

ストレッチや施術では、肋骨の間やわき腹、みぞおち周辺を柔らかくしてあげると効果的です。

また、深くゆっくりした呼吸を意識するだけでも、肋骨まわりの筋肉は少しずつ動きを取り戻します。

まとめ

・肋骨は呼吸のたびに上下に動いている。

・肋間筋・腹斜筋・前鋸筋が硬くなると、肋骨が動きにくくなる

・呼吸が浅くなると、背中・腰・肩・首の筋肉に負担がかかる

・内臓の動きも肋骨の可動に影響する

・肋骨の柔軟性を取り戻すことで、呼吸も姿勢も整う

日常生活の中で、肋骨を意識することはあまりありませんが、

実は体の中心を支えてくれる存在です。

背中や腰の不調がなかなか取れない方、まずは肋骨がちゃんと動いているかを見直してみてください。

呼吸が深くなれば、身体も心もぐっと軽くなっていきます!

さかなくん

肋骨についてのお悩みや、なかなか取れない腰痛などでお悩みの方は一度、お問い合わせください。今回お伝えした肋骨の動きの問題で起こる場合もありますので一度状態をお伺いできればと思います。

この記事を書いた人

魚住 享平
魚住 享平urokoBodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)

これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。

<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦

最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています