首の痛みはなぜ起こる?痛みの原因と治りにくい理由とは?

皆さん、こんにちは!

上野・浅草エリアにあります、ボディケア・整体サロン「uroko」の魚住です。

本日は、寝違えや首の痛みについてのお話です。

整体院に来る方やThreadsなどのSNSでも症状を良く見かける首の痛み。

かなり多くの方が悩んでいる症状です。

2024年の厚労省の「国民生活基礎調査」によると腰痛についで肩こりや首の痛みは第二位となっています。

これだけ多くの方が悩んでいるのに問題が解決しない、減らないのにはどのような理由があるのでしょうか?

私なりの視点で解説していこうと思います。

このような症状ありませんか?

  • 首をよく寝違えてしまう
  • 慢性的に首の張り感や重さがあり悩まされている
  • 頭痛が定期的に起こり集中できない
  • 頭に酸素が回っていない気がする
  • 最近、集中力がないことが多い

これらは私が今まで施術してきた方がよく訴えていらっしゃった症状です。

結構あてはまる方がいらっしゃるのではないでしょうか?

18年間、整骨院や施術業界で勤めてきましたが、この18年間で首や肩の症状を訴える人の数は減ると言うことは一切なく、むしろ年々増加している感覚すらあります。

そもそも「首の症状はなぜ多くの人に起こるのでしょうか?」

「なぜ繰り返し痛みが起きてしまうのでしょうか?」

今回は、そういったお悩みにお答え出来る文章に出来ればと思います。

少し長い文章になりますが、お付き合いいただければ幸いです。

また別にQ&A形式でまとめた物も作れればと思います。

なぜ首が痛くなるのか?

結論から申し上げると

首の痛みにも色々と原因がありますが、

【皮膚や筋肉や関節の問題で痛みが出る】

これは他の部位と基本的には変わりません。

それらのどこかに「急激にor慢性的に」刺激が加わることで首の痛みや寝違えに繋がります。

もちろんデスクワークなどで同一姿勢が続き負荷がかかりやすい方はリスクが高くなることは間違い無いです。

しかもSNSコンテンツも我々が意識しない限り、隙間時間を奪う構造になっています。

縦型のリール動画なんかは気がついたら1時間経過していたなんて経験は少なくはないはずです。(InstagramとかYouTubeのアルゴリズムすごいですよね…^^;)

2023年の厚労省の調査では大学生の1日のスマホの使用時間が平均7時間という結果が出たそうです。

なんと1日のうち約3分の1はスマホを見ているという事になります。

確かに消費するコンテンツ量が多すぎて追いつかない世の中です。

好奇心と体力がある大学生ならコンテンツを消化して、自身のSNSを発信して、友人のフォローをして、あっという間に7時間は経ってしまうでしょう。

しかしこれは大人に関係がないかというと、そうでもありません。

プライベートのスマホの使用か、仕事でPCを使う時間が長いかの違いでしかないので大人の方がトータルの使用時間が長い可能性まであります。

一般的にも言われるデスクワーク、スマホ使用が首の痛みに繋がっていることは明白です。

なぜ首に負担がかかりやすいのか?

こちらも結論からいうと

  • 長時間のデスクワーク・スマホ
  • 猫背+頭が前に出る+上部頚椎の伸展(反らせる動作)
  • 運動不足

この3つが最も多い原因になります。

長時間のデスクワーク・スマホ

明らかに同じ姿勢が長時間続き、さらに背中も丸まり首が前に突出している。

そういった姿勢になっている人が現代では非常に多いのではないでしょうか?

これは首を痛めるリスクでしかありません。

これに仕事のストレスを感じやすい人、立場・環境的に緊張せざるを得ない状況にあれば尚更です。

もはやこの時代に生きる人にとってデスクワークが続くことは仕方のないことでもあります。

そこで空き時間やお休みの日にケアや身体の修復に努めなければ、いつかは耐えきれなくなって当然です。

よく施術を受けに来られる方で

「何もしていないのに首が調子が悪い」

と仰る方がいますが、厳しいことを言うのであれば

「何もしないからこそ、リカバリーできなくなってしまう」のです。

さらに回復させるどころか追い打ちをかけるように、休みの日もスマホを見続けて、首を痛めつけているのです。

美味しい物を食べに行く時間、スマホで動画を見る時間は作れるけど運動の時間は作れないようでは難しいかもしれません。

小さな事でも日々の積み重ねはやがて大きな差になって身体に返ってきます。

もしこのような状態で少し変な体勢で寝てしまった翌朝は、首が動かせなくなる位の痛みを訴えることがあります。

これはもともと悪い状態の中で、寝姿勢によってさらに硬さや動き、滑走性が悪くなり痛みとなって出現していきます。

元々そういった原因が少なければ、そう簡単には寝違えを起こすという事が無いのではないでしょうか?

子供の頃の自分を思い浮かべてみてください。

子供の頃はうつ伏せで顔を横にしていたり、とんでもない方向を向いて寝ていることがあったかと思います。

しかしそんな体勢で寝ていても、寝違えたという記憶は、ないのではないでしょうか?

(18年間この業界にいて寝違えで来た小学生は記憶にないかもしれません)

やはりもともとの柔軟性や潤滑性が関わっている事は間違いはなさそうです。

猫背+頭が前に出る+上部頚椎の伸展(反らせる動作)

これは簡単に言うと、

①猫背になる

②画面を見ようとして、顔が前に出る

③そのままでは目線が下を向いてしまうので、正面を向くのをキープする為に後頭下筋(頭と首を繋ぐ小さな筋肉)や胸鎖乳突筋がより緊張する。

という3ステップです。

私の事だと思われた方は多いのではないでしょうか?

ちなみに皆さんがよく聞くストレートネック

確かにこれも決して良い状態ではないのですが、これだけなら頭が脊柱の上に乗っていれば、まだ負担は少ないです。

しかし、頭の位置が前に行ってしまうことで、一気に首の負担が増えます。

通常、身体は骨格で支えるように出来ています。

しかし首の位置が前方にあると、骨格で支えることができず、ほぼ筋肉で支えることになります。

頭の重さは成人で約5キロあります。

さらに頭の位置が正しい位置から5センチ前に出ると重さは3倍になり

15キロの重みを支えなくてはなりません。

女性の方は15キロのダンベルを持つことができますか?できない人も多いのでは、ないでしょうか?

しかし頭は重かろうがなんだろうが、取り外して置いておくことはできません。

その負担の多くを受け止めているのが筋肉になります。

場合によっては胸部・上腕などからも関係を受けます。

その状態で、デスクワークを1日8時間、週に5日、さらには仕事のストレス、対人ストレスもおまけで。筋肉が固まらないわけがありません。

進行すると筋肉がだんだんと固まって、首の後ろを走る大後頭神経・小後頭神経、肩の上を通過する副神経などが圧迫・牽引され頭痛まで引き起こします。

こういったケースでは薬を飲んでも神経の圧迫・牽引は解消されていないので一時的な解決にしかなりません。

そのような方は日に日に薬を飲む量が増えるか、頭痛の頻度が増えるかどちらかしかありません。

また、首の前側には斜角筋という筋肉が付着するのですが、その脇から出ている腕神経叢がが圧迫・牽引されると今度は腕のしびれが出現するようになります。

このような症状は身近でも非常に多い症状だと思いますし、現在進行形でこの症状に悩んでいる方も少なくないと思います。

すべての始まりは、デスクワーク・スマホの長時間の使用と姿勢の悪さから始まっています。

運動不足

健康

これも1つ目と2つ目の問題とのリンクしています。

首・肩が凝っている人や寝違いの人が全員、運動習慣がない訳ではないですが、多くの方は運動習慣がないように思います。

また運動習慣といっても散歩程度の有酸素運動だと強度・頻度にもよりますが少し弱くて

出来ることであれば背骨や腕を動かすスポーツが好ましいです。

水泳とかできれば理想です。

水泳、特にクロールは肩周りの運動や脊柱の運動とどちらも行えるので一番首や肩に問題を抱えている人に行って欲しく、効果の出やすい運動だと思います。

筋肉は運動して収縮、弛緩させると緊張が下がる性質があります。

日頃デスクワーク中の筋肉の働きを見ると収縮しっぱなし、伸張(伸ばされっぱなし)のどちらかになっていることが多いです。

これでは筋肉が収縮した状態が強いか、ずっと伸張されて、それ以上伸ばされないように更に緊張してしまうのです。

日頃から筋肉・関節を使って正しい動きや筋肉の張力が適切になるように出来れば凝り固まった身体のリセットすることが可能です。

なぜ首の症状は治りにくい?

もちろん先ほどお話しした3つの問題が大きく関わっていますが、一つは施術をする側にも問題があると私は考えています。

私が思うに首は筋肉のサイズや関節の大きさというのが、他の部位に比べると小さいので、症状としてはより詳細に筋肉や関節の問題を見ていかないと判別がつきにくい部位です。

昔、私の師匠である山根先生がこう話してくれたことがあります。

「突き指をした時は、必ず怪我した指を触ろうとするけど、首の施術となると人差し指を怪我でも、小指を触る施術者がいる」

これは先程の筋肉や関節のサイズが小さいことから起こる問題なのですが、非常に面白い例えだと思います。

指であれば確実にケガした場所がわかるので、施術を受ける側も施術をする側も少なくともケガした指がどこか位はわかります。

しかし首となると問題は別です。

例えば頸椎の5番目のところに問題があったとしても、平気で6番目や4番目を触りながら施術するケースは、若手スタッフや首の施術に慣れていない施術者であれば、全然ありえる話です。

また症状を訴える部位と問題がある箇所が必ずイコールでは無いのも症状が解決しづらくなる原因の一つです。

症状が重くなるほど、複雑に色々と絡み合うため中々治りにくくなってしまうのです。

そのため首の施術や検査などは1つ1つ慎重に行い、問題を見極める必要があります。

基本ではありますが丁寧に触診を行い、どのレベルやどの筋肉に問題があるかを見定めます。

その上で痛い動きをしてもらって痛みに変化があるか確かめる。

といった工程を行う必要があります。

そうすることで、首の痛みの原因に対して最短でアプローチすることができるのです。

ただし日常生活の姿勢や習慣で悪い癖がついていれば当然治りは遅くなることは間違いありません。

痛みの原因となる組織

肌の断面図

これも冒頭でお伝えしたように人間の痛みセンサーが豊富な場所は

皮膚・皮下組織・筋膜・関節包」の4つです。

この中のどれか、もしくは複合的に問題が起こり痛みを感じるようになります。

皮膚(真皮)

これは文字のごとく皮膚に問題があって発生する痛みです。

最初にお伝えした姿勢の問題などから、首や肩の皮膚は日ごろから伸ばされた状態になっていることが多いです。

この状態が長く続くと皮膚や皮下組織の滑走が悪くなり痛みを引き起こすことがあります。

人間の血管は100,000キロあると言われています。100,000キロとは地球2周半というとてつもない距離に

なるのですが、そのうちの8割は皮膚についていると言われています。

これは、末梢に行く毛細血管が身体の中には豊富にあります。

その末梢血管に血液や栄養素が行き渡らなくなると痛みを引き起こしてしまいます。

また皮膚には神経も多く分布しています。

イメージするなら、竹ぼうきのように末端に向かって張り巡らされており、そのため我々は画鋲など、

先が尖ったものを踏んだりした際にどの部位であっても痛みを感じます。

この皮膚の神経も皮膚が突っ張ってしまうことで、圧迫・牽引がかかり、これも痛みの原因となります。

首周辺で問題が起こりやすい場所で言うと、頭と首の境目のところだったり、第7頸椎首の1番下のところから

肩の上側にかけて(一般的に皆さんが痛みを訴えるライン)問題が起こりやすいです。

皮下組織

皮下組織も皮膚と原因は似ているのですが、人の皮膚の下には脂肪組織があります。

この脂肪組織も通常であれば潤滑があり、身体を動かす際に中でスムーズに動いています。

しかしデスクワークで同一姿勢が続いたり、運動の習慣がなくなることで、脂肪組織も潤滑が失われ滑りが悪くなってしまいます。

他の組織にも言えることですが、脂肪組織同士だけではなくそれに隣接している皮膚と脂肪組織

筋肉と脂肪組織などが滑りが悪くなり、そこで問題が起こることもあります。

首周辺で問題が起こりやすい場所で言うと、皮膚の時と同じく頭の骨と首の筋肉の境目のところだったり、

第7頸椎首の1番下のところから肩の上側にかけて(一般的に皆さんが痛みを訴えるライン)の問題が起こりやすいです

筋膜

筋膜とは筋肉を覆っている膜のことですが、この筋膜にも痛みセンサーが豊富に含まれています。

筋膜も隣接している筋膜との滑走が悪くなっていたり、骨と筋が付着する場所で問題が起こったり、

筋肉の間を通過していく神経との滑走が悪くなったり、様々な原因が考えられます。

首で言うと後頭下筋群と呼ばれる、後頭骨と首の上部を繋ぐ筋肉の間を神経が縫うように走行していますが、ここで神経に対して圧迫・牽引が起こることがよくあります。

また首と肩の筋肉に関わる副神経と言う神経も肩と首の境目あたりを通過して行くのですが、こちらも比較的圧迫が加わりやすい部位です。

代表的なのはこの2つですが、首に関しては首の前側から出る腕神経叢が背中や腕、お腹の方まで通っています。

その為、こちらも何かしらの原因で圧迫・牽引が加わると痛み・痺れの原因となることが多いため、色々と確認する必要があります。

とにかくどこに痛みが出ているかによって施術のポイントは変わるため、検査を行なってどこに問題があるのかの確認作業が最も施術する時に重要です。

関節

まずは首の関節のおさらいです。

首の関節は特殊な形状をしており、まず腰椎や胸椎にある椎間板と言うクッションが後頭骨と第一頚椎、第二頸椎との間にはありません

その他の関節には必ずありますが、上部頸椎には存在しないので、それだけでも特殊な関節ということがわかります。

また上部頸椎はさらに他の関節とは違った特徴があり、第一頸椎は輪っかのような形をしています。第二頸椎は突起が上に飛び出しており、その突起に第一頸椎がはまるような格好となっています。

イメージとしては、軸に車輪がはまっているような感じです。

当然、靭帯や筋肉があるので、ぐらぐらすると言う事はありませんが、首を捻る際の可動域はかなり広くなっています。

また椎間関節という骨の両サイドにある関節の角度は45度となっており、下の関節面が上の関節面を受け止める構造となっています。

そのため首を前に曲げた時は上の関節が上前方へ滑り、逆に首を後ろにそらす時は上の関節が後方に滑るような形になります。

通常であれば、そのような関節の滑りの動きができているのですが、これも日ごろの姿勢やデスクワークで同じような負荷がかかり続けると関節が動かなくなってしまいます。

関節の周りには、関節包と呼ばれる袋があり、外側は繊維膜、内側を滑膜という組織で構成されています。

滑膜には痛みセンサーが豊富にあるため、この部分に酸素や栄養素が供給されなくなると痛みを発するようになります。

特に首の痛みに関しては最初お伝えしたように詳細に関節や筋肉を捉える必要があります。

仮に3番目の頸椎に問題があったとしても、6番や7番を触っているようでは意味がありません。

そのため、首を触り適切に関節・筋肉の位置を見極める必要があります。

その上で検査をして痛みが起こっている位置を探っていきます。

それができないようでは、首の症状を取る事は難しいと思います。

以上が、首の痛みに対して施術する際に特に重要な部位でした。

しかし首を施術していく上で、姿勢の問題(脊柱の可動性など)や腕や手首周りの問題、頭蓋骨、顎関節の問題なども密接に関係していくので、その辺は人によって微調整をする必要があります。

それぞれ生活の仕方によって身体の負担がかかる場所は当然変わってきます。

過去の怪我、仕事の内容、子供の有無、趣味の内容、そういったところから、身体の歪みや問題が起こり、どこかしらに問題が出ます。

理想は整体院などに通うことなく、日ごろから身体のケアをできているのが1番理想です。

しかし、日々忙しい中でなかなかそうも行かない方も多いかと思います。

また、ある一定の水準を超えてしまうと自力ではどうしようもできない場合もあります。

そう言った時は、我々のような整体に来て施術を受けていただいて元通りの身体に戻して、その後はセルフケアすることをお勧めいたします。

まとめ

首の症状が起こりやすい理由は

・長時間のデスクワーク・スマホ

・猫背+頭が前に出る+上部頚椎の伸展(反らせる動作)

・運動習慣が足りない

なぜ痛みが起こるのかは?

・皮膚(真皮)

・皮下組織

・筋膜

・関節包

のいずれか、もしくは複数に問題がある場合

症状が治りにくい理由としては

・デスクワーク・スマホ操作が多い

・運動不足

・施術者側の技術が不足している場合がある

という事でした。

首や肩の症状で悩む方は非常に多いです。

だからこそ他人事と思わず、自分の身体にも起こり得る問題だと自覚して行動することが大切です。

日々生活していて痛みを抱えているというのは本当に不快なことだと思います。

そういった方が1人でも少なくなるように、これからも発信していきたいと思います。

この記事を書いた人

魚住 享平
魚住 享平uroko BodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)

これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。

<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦

最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています