目と首の深い関係 〜眼精疲労が身体に与える影響〜
皆さんこんにちは。上野・稲荷町にあります、ボディケア整体院urokoの魚住です。
今回は「目と首の関係」についてお話ししていきます。
パソコンやスマートフォンを長時間見ることで「目が疲れる」「首や肩がこる」と感じたことはありませんか?

目と首は解剖学的にも、神経的にも密接な関連があります。
今回は、解剖学的な視点と、近年の研究をもとに「目の疲れが首や身体に与える影響」についてわかりやすく解説していきます。
目次
目や首の構造について
目と首はどうつながっているのか?
まずは目の構造から見ていきましょう。
眼球を動かしているのは「外眼筋」と呼ばれる6本の筋肉です。
上・下・内・外の直筋と、2本の斜筋が協調して働くことで、上下左右、そして回旋など複雑な目の動きを可能にしています。
これらの筋肉は、主に動眼神経(Ⅲ)、滑車神経(Ⅳ)、外転神経(Ⅵ)という脳神経によってコントロールされています。

次に首の筋肉の構造です。
首には頭の重さを支え、位置を微調整するための多くの筋肉があります。
代表的なのは胸鎖乳突筋や僧帽筋、後頭部と首を繋ぐ後頭下筋群と呼ばれる細かい筋肉です。
とくに後頭下筋群には、頭の位置や筋肉の緊張を感じ取るセンサーが豊富に存在する重要な部位です。

頭部と眼の運動は連動しており、たとえば私たちが何かを見るとき、目だけでなく首や頭もわずかに動いています。
この協調運動を支えているのが「頸眼反射」と呼ばれる仕組みです。
頭の位置が変化した際に、視線を安定させるために眼球が自動的に動く反射で、目と首は常に神経的に情報をやり取りしています。
また先ほど紹介した後頭下筋は4つのパートに分かれ、目のピント調整の際に機能しており、PC作業などで酷使されます。
つまり、目の動きと首の筋肉は、構造的にも神経的にも常に協調して働いているということがわかります。
目の疲れが首や体に与える影響
近年の研究では、「目の疲れ(眼精疲労)」が首や肩の筋活動、姿勢、そして痛みにまで影響を与えることが明らかになってきています。
たとえば、2022年にNature誌で報告された研究では、目を開けているか閉じているかという単純な違いでも、首や咀嚼筋(かみ合わせの筋肉)の筋電図活動に変化が生じることが確認されました。
これは、視覚情報が首の筋肉の働きに直接影響を与えていることを示しています。(Zieliński et al., Scientific Reports, 2022)

ヒトが視覚から得る情報は全体の8割ほど。
思っている以上に目は酷使されて疲労しています。
また、長時間ディスプレイを見続けることで起こる「眼精疲労」について、2024年のメタ解析では、
目の痛み・乾燥・ぼやけ・集中力の低下といった症状に加え、肩こりや首こりなどの筋骨格系症状が強く関連していることが報告されています。
(Wang et al., BMC Ophthalmology, 2024)
これらの研究から、視覚的な負荷が首や肩の筋活動、ひいては全身のバランスにも影響を与える可能性が示唆されています。
姿勢と視線の関係
目と首の関係を考える上で、姿勢は非常に重要な要素です。
現代では、スマートフォンやPCを長時間使用することで「頭が前に出た姿勢」の方が増えています。
この姿勢は首への負担を増大させ、研究では通常姿勢の約3.6倍の負荷が頸椎にかかると報告されています。
(Kim et al., Diagnostics, 2024)

頭の重さは約5キロあります。ボーリング玉の10ポンドと同じくらいの重さです。
頭が前に出ることで、首の後ろ側の筋肉(後頭下筋群や僧帽筋上部)は常に引き伸ばされた状態で緊張し続け、
首の前側に付着する胸鎖乳突筋や斜角筋などは前後のバランスを取る為に緊張し、首の前も後ろも血流が低下します。
その結果、筋肉に疲労物質が溜まり、コリや痛みが生じやすくなります。
この状態でさらに長時間画面を見続けると、眼の周りの筋肉も働きっぱなしになり、首と目の両方が同時に疲弊していくのです。
光や環境も首の筋肉に影響する?
実感されている方も多いかもしれませんが、照明のまぶしさも首の筋肉活動に影響を与えることが報告されています。

私がPC作業するときは出来る限り画面を暗くして作業しています。明るいとすぐ目が疲れるので。明るいと頭痛も出やすい気がします。
Ophthalmology Times に掲載された研究では、強い光刺激下で作業を行うと、まぶたの周りの筋肉(眼輪筋)だけでなく、僧帽筋や首の筋肉の血流と活動量も上昇したとされています。
つまり、光のストレスそのものが首や肩の筋緊張を高める可能性があるのです。
目と体をつなぐ感覚のネットワーク
目の動きや視線の安定には、首や頭の位置情報が欠かせません。
私たちが「まっすぐ見る」ことができるのは、首や身体の感覚情報(固有受容感覚)が常に脳へ送られ、眼の動きと統合されているからです。
そのため、首の筋肉に強い疲労や緊張があると、視線が安定しづらくなったり、めまいやふらつく様な感覚が生じることもあります。

また私の施術のポイントである頭頚移行部(頭と首の境目)、頚胸移行部(首と背中の境目)には重力センサーがあるとされており、この部分の関節の働きが悪くなることで、身体のバランスが崩れ眼精疲労や身体の不調に繋がります。
実際に、首の機能障害と視覚・平衡感覚の乱れ(ふらつき・ピントの合いにくさ)との関連を示す研究も報告されています。
(Treleaven, J Orthop Sports Phys Ther, 2017)
このように、目と首は単なる筋肉の連動ではなく、「感覚のネットワーク」として互いに影響を与え合っています。
眼精疲労を取るために必要なコト
urokoで出来るコト
大切なのは「目だけ」「首だけ」と部分的ではなく、からだ全体のバランスを整えるという視点です。
整体的な視点から言えば、目の疲れを感じる方の多くは、首や頭の筋膜、後頭部の動きが硬くなっています。

特に後頭下筋群や胸鎖乳突筋、顔周り、頭部の筋肉をほぐしたり
首や背中だけでなく腰、骨盤の関節も含めて調整することで眼精疲労の改善に役立ちます。
日常で気をつけていただきたいコト
・長時間の近見作業では、1時間に数分でも視線を遠くに移す
・画面の位置を目線の高さに合わせる
・頭が前に出すぎないように意識する
・首や肩、胸の前側のストレッチを取り入れる
・明るさや照明の環境を整える
といった小さな工夫でも、目と首の負担を減らすことができます。
まとめ
・目と首は、構造的にも神経的にも密接に連動していて、眼精疲労は首・肩の筋活動や姿勢に影響を与える。
・猫背などの不良姿勢や、光や作業環境なども首と目の疲労を助長させる原因となる。
・眼精疲労を改善するためには、首や頭、背中の筋肉や関節だけでなく、不良姿勢の根本となる腰や骨盤の調整も含めて行う方が効果がある。

デスクワークの多い現代では、目の疲れが身体全体の不調につながる可能性もあります。
もし慢性的な眼精疲労や首・肩のこりに悩まれている方は、目だけでなく、首・頭・身体のつながりを意識してみてください。
当院では、「目と身体全体の関係性」を踏まえて施術を行っております。
眼精疲労でお困りの方はurokoの公式ラインまでお問い合わせください。
(参考文献)
- Zieliński G et al., Scientific Reports, 2022
- Lérida-Ponce A et al., J Clin Med, 2024
- Wang J et al., BMC Ophthalmology, 2024
- Treleaven J, J Orthop Sports Phys Ther, 2017
- Kim J et al., Diagnostics, 2024
- Ophthalmology Times, 2023
この記事を書いた人

- urokoBodyCare院長
-
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)
これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。
<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦
最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています
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