お腹が固くなると腰痛になる?意外と知られていない腹斜筋と腰痛の関係性とは?

みなさんこんにちは!

上野(東上野)・稲荷町にある整体院urokoBodyCareの魚住です。

みなさんはこんなお悩みはありませんか?

・長時間パソコンに向かっていると、夕方には腰がズーンと重くなる

・整体で腰をほぐしてもらっても、その場しのぎで良くならない…

・湿布やセルフケアでごまかしてきたけど、なかなか治らない…

そんなお悩みを抱えるデスクワーカーの方はとても多いのではないでしょうか。

腰痛というと「腰まわりの筋肉をほぐせばいい」と思いがちですが、実はお腹の横にある筋肉(腹斜筋)が縮んで硬くなっていることが、腰痛の原因になっているケースがあります。

これは複数の研究論文からも可能性が示唆されています。

今回は、「猫背 → お腹の筋肉が縮む → 腰が痛くなる」という意外なつながりを、できるだけわかりやすくお伝えします。

まず腹斜筋ってどこ?

真ん中に見える腹直筋の脇に見えるのが腹斜筋です

腹斜筋は、お腹の左右の側面を斜めに走っている筋肉のことです。外側にある「外腹斜筋」と、その内側に重なる「内腹斜筋」の2層で構成されています。

ウエストをひねったり、身体を横に倒したりするときに使う筋肉、といえばイメージしやすいかもしれません。

しかし、腹斜筋の大切な仕事はそれだけではありません。肋骨と骨盤をつなぐように走っていて、背骨・腰を「支える柱」として安定させる役割も担っています。

腹筋や横隔膜、骨盤底筋などとセットで「体幹のコルセット」のような働きをしているのです。

長時間パソコン作業をしていると、気がつかないうちに姿勢が崩れることもしばしば。

腰と背中が丸まるまった、いわゆる猫背姿勢です。

猫背になると、カラダの中では次のようなことが起きています。

背中が丸まることで、お尻(骨盤)が後ろに倒れます。

骨盤が後ろに倒れると、腰のS字カーブ(自然なくびれ)がなくなり、背骨全体が「C字型」になります。

そしてこのとき、お腹側はというと上半身と下半身が「くの字」に折り曲がった形になるため、お腹の側面にある腹斜筋が縮んだ状態になります。

1〜2時間くらいならまだいいのですが、毎日何時間もこの姿勢が続くと、筋肉はその縮んだ姿勢に慣れてしまいます。

これが「腹斜筋の短縮(縮み固まること)」です。

① 猫背で20分座るだけで、深いお腹の筋肉が疲弊する可能性

タイのオフィスワーカーを対象に行われた研究(Sitthipornvorakul et al., PMC 2016)では、猫背姿勢で1時間座り続けると、お腹の深い部分にある筋肉(内腹斜筋・腹横筋)が疲れてしまう可能性があるということが、筋電図を使って確認されました。

驚くべきことに、その疲れは座り始めてわずか約20分後から疲労の兆候を示したそうです。

背筋を伸ばした姿勢や少し前傾みにした姿勢では、同じような兆候は見られませんでした。

腹斜筋は、背骨をその場で支えてくれる「縁の下の力持ち」の役割を持っています。

ここが疲労することで、背骨を守るクッション機能が落ち、椎間板や靭帯にも余計な負担がかかってしまいます。

② 腰痛がある人は、お腹の筋肉のバランスが崩れている

慢性的な腰痛を持つ人と健康な人を比べたイランの研究(Rashidi et al., PubMed 2009)では、腰痛のある人は外側の腹斜筋が張り過ぎている一方、内側の腹斜筋の動きが鈍くなっているという筋肉の使い方のアンバランスが確認されています。

イメージとしては、チームで分担して仕事をしているはずなのに、表面の筋肉だけが頑張りすぎて疲弊し、深層の筋肉がほとんど働いていない状態です。

その結果、腰への負担が強くなる可能性があります。

③ 立ったり座ったりするとき、腹斜筋は背骨の根元を守っている

スウェーデンで行われた研究(Sapsford et al., PubMed 2001)では、立っているときも座っているときも、腹斜筋を含む周囲の筋肉が「仙腸関節(骨盤の中心にある関節)」を安定させるために働いていることが示されています。

また同研究では「腰痛のある人は腹斜筋の力が著しく低下している」という報告も引用されており、腹斜筋の衰えが腰痛と関わることも示唆されています。

④ 腰痛のある人は、座ると外側の腹斜筋が厚く緊張する

日本の研究(Nishida et al., Scientific Reports 2021)では、長時間の座り仕事で腰痛が出やすい人とそうでない人を、超音波検査で筋肉の厚みを比べました。

すると腰痛のある人は、座ったときだけ外側の腹斜筋が厚くなっている(つまり強く緊張・収縮している)ことがわかりました。

これは、腰が不安定なために外側の筋肉が「なんとかしなければ」と過剰に頑張ってしまっている状態を示しています。

過剰な緊張が続けば筋肉は縮み固まり、骨盤や腰椎の歪みにつながってしまう可能性があります。

⑤ 猫背で長時間座ると、腰まわりの筋肉が疲労しやすくなる

オランダで行われた研究(Heneghan et al., MDPI 2021)では、デスクで4.5時間座り続けると腰まわりの筋肉の硬さが有意に増したことが報告されています。

そして、その硬さの増加は猫背の度合いと関連していました。

この論文では「長時間の猫背姿勢が腰痛のリスクを高める可能性がある」と結論しています。

研究データを踏まえると、次のような「負のサイクル」が見えてきます。

STEP 1|デスクワークで猫背が定着する
長時間座ることで、背中が丸まりお尻が後ろに倒れる姿勢が習慣になります。

STEP 2|お腹の側面の筋肉が縮んで固まる
くの字に折れ曲がった姿勢が続くことで、腹斜筋が縮んだ位置に慣れてしまいます。

STEP 3|深いお腹の筋肉が疲弊し、表面の筋肉が張り過ぎる
背骨を支えるはずの深層の筋肉が働かなくなり、表面の筋肉が無理に頑張る状態になります。

STEP 4|骨盤が傾き、腰のS字カーブが崩れる
腹斜筋が縮んで骨盤と肋骨の間を引っ張り続けるため、骨盤のバランスが崩れ、腰の自然なカーブが保てなくなります。

STEP 5|椎間板や靭帯に余計な負担がかかる
骨盤・腰椎が不安定な状態で日常動作を繰り返すことで、背骨のクッション(椎間板)や周囲の靭帯に慢性的なストレスがかかります。

STEP 6|腰の筋肉が疲弊する
お腹側の筋肉が機能しなくなると、腰の後ろ側の筋肉が代わりに頑張りすぎます。

もちろん、こちらで示したパターンには個人差があり腹斜筋単体で起こる訳ではありませんが、腹斜筋に負荷が掛かり続けることで血行不良・コリ・痛みとなり、「腰が重い」「だるい」「動き始めが痛い」という症状として現れる可能性は考えられます。

また腹斜筋が上手く働かないことで姿勢の制御や体幹のコントロールが上手くいかず痛みに繋がることも考えられます。

腰痛のケアというと、腰や背中をマッサージしたり温めたりすることを思い浮かべる方がほとんどでしょう。

もちろんそれも大切ですが、お腹側の腹斜筋が固まったままでは、骨盤の歪みやカラダの前後のバランスが崩れ、腰だけケアしても根本的な改善につながりにくいことがあります。

「腰が痛いのにお腹を伸ばすの?」と不思議に思われるかもしれませんが、猫背で縮んで固まったお腹の側面の筋肉をゆるめてあげることが、腰痛改善への近道になる場合があります。

腹斜筋をゆっくり伸ばす

立ちあがり腹斜筋や周辺の皮膚や皮下組織を伸ばします。

立ったまま出来るので、オフィスでも時間があれば取り入れることが出来ます。

正しい座り方を身に着ける

丸めたタオルの上にお尻の下の骨(坐骨)で座ると、自然と骨盤が起き上がります。

背骨のS字カーブが戻り、腹斜筋が縮みにくい姿勢になります。

正しい座り方の解説はこちらの動画をご覧ください!

30〜60分に一度は立ち上がる

研究でも確認されているように、猫背座位はわずか20分でお腹の深い筋肉に疲労をもたらします。

お仕事に集中すると時間を忘れがちですが、タイマーをセットして定期的に立ち上がり、軽くカラダを動かす習慣をつけましょう。

デスクワーク中の猫背は、背中だけでなくお腹の側面にある腹斜筋を縮ませ、骨盤や腰椎のバランスを崩すことで腰痛を引き起こす可能性があります。

複数の研究が示すように、腰痛のある人はお腹の筋肉の使い方にアンバランスが生じており、それが「治ってもまた痛くなる」慢性腰痛の悪循環の一因です。

腰の後ろだけでなく、お腹側の筋肉や組織を意識したケアが、デスクワーカーの腰痛改善には欠かせないポイントです。

これまで様々な施術やケアを試してきたが、良くならないという腰痛でお悩みの方は、ぜひ一度、お腹側からのアプローチも試してみてください。

自分自身の腰痛が何が原因で起こっているか分からない。セルフケアは何をしたら良いという方はぜひ一度、上野(東上野)・稲荷町のurokoBodyCareにご相談ください。

丁寧なカウンセリングと施術であなたのカラダの痛みの原因を探します。

その結果を元にセルフケアを行うことで、より効果的に、より痛みの戻りの少ないカラダを目指すことが出来ます!

腰痛に関連する記事はこちらもオススメです。

今回お話した筋肉以外のストレスや運動不足など他の腰痛の原因もお伝えしています。

参考文献

  • Sitthipornvorakul E, et al. "Internal Oblique and Transversus Abdominis Muscle Fatigue Induced by Slumped Sitting Posture after 1 Hour of Sitting in Office Workers." PMC, 2016.
  • Rashidi A, et al. "Evaluation of trunk muscle activity in chronic low back pain patients and healthy individuals during holding loads." PubMed, 2009.
  • Sapsford RR, et al. "Oblique abdominal muscle activity in standing and in sitting on hard and soft seats." PubMed, 2001.
  • Nishida N, et al. "Prolonged sitting-induced back pain influences abdominal muscle thickness in a sitting but not a supine position." Scientific Reports, 2021.
  • Heneghan NR, et al. "The Effect of Sitting Posture and Postural Activity on Low Back Muscle Stiffness." MDPI, 2021.
  • Hayashi T, et al. "Effect of low back pain on the muscles controlling the sitting posture." PMC, 2021.

この記事を書いた人

魚住 享平
魚住 享平urokoBodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)

これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。

<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦

最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています