腰は思ったより回らない!腰椎の回旋可動域が5〜10°しかない理由と腰痛の関係【柔道整復師解説】

この記事でわかること

・腰椎の回旋可動域が5〜10°しかない構造的な理由

・カラダを捻る動きを実際に担っているのはどの関節か?

・腰以外の関節が硬くなると腰痛につながるメカニズム

・ゴルフ・野球など回旋を使うスポーツで腰を守るポイント

みなさんこんにちは!

上野(東上野)・稲荷町の整体院urokoBodyCareの魚住です。

今日は腰についての雑学をお伝えします。

みなさんは腰はどの位、回すことができるかご存じですか?

実は腰椎の回旋の可動域は5~10°程しかありません。

過去にスポーツをされていた方であれば「腰を回せ」「腰を切れ」といった表現を指導者の方からされた事もあるのではないでしょうか?

では実際にはどこが動いてカラダを捻っているのでしょうか?

この記事では柔道整復師として18年以上の施術歴のある魚住が、腰椎の回旋についての話や腰椎の雑学にお伝えします。

椎間関節のイメージ画像。

指で指し示しているのが、腰の関節である椎間関節です。

画像を見ていただけると分かる通り、関節の形は縦型です。

横に回そうと思ってもすぐに骨に衝突するため回しようが、ありません。

その上にある関節を見ていただいても同じような構造になっています。

そのため「腰はよく回る」というイメージを持っている方は多いのですが、実際のところ腰椎は構造的に回旋運動がとても苦手です。

腰椎1つあたりの回旋角度は、わずか 1〜2°

5つある腰椎をすべて合わせても、最大で10°程度しか回らないのです。

一方で、腰は前後の動き(前屈・後屈)は得意なので、日常の動きやスポーツで「回す」動きは、本来腰ではなく他の関節が担うべき役割なのです。

休日に運動をする女性のイメージ画像。

先ほど腰椎の回旋の可動域は5~10°程しかないという話をしましたが、実際にはどこが動いてカラダを回しているのでしょうか?

カラダの回旋動作で最も動くのは股関節。つぎに胸椎という順番です。

股関節は回旋のうちの40°~50°、胸椎が30°~35°、腰椎が5~10°程度とされています。

(股関節の回旋可動域は内外旋を合わせると片側で60〜70°以上ありますが、体幹の捻り動作への貢献量としては40〜50°程度とされています)

実際の可動域を見てもらうと腰椎の回旋可動域が狭いことは一目瞭然です。

荷物を持ち上げた際にぎっくり腰になった女性のイメージ

もし腰以外の関節がうまく動かないと、どうなるのでしょうか?

股関節や胸椎が固くなりカラダを回す動作に制限が掛かっていたとします。

しかし日常動作やスポーツの動きでカラダを回す動作を求められた場合、本来の可動域以上に腰をひねることになり、関節や周囲の筋肉・靱帯に過剰な負担がかかります。

その状態が続くと、腰の炎症や慢性的な痛み、さらには椎間板へのダメージに繋がることになります。

腰のダメージを軽減するためにも股関節や胸椎の可動域は切っても切り離せないものなのです。

整体院urokoBodyCareの魚住のゴルフの様子。

スポーツでもっとも顕著なのが、ゴルフや野球のスイングです。

朝一番、まだ身体が温まっていない状態でフルスイング。

そんな時に腰が必要以上に捻られて、腰椎のわずかな回旋可動域を超えて動かしてしまいケガへと繋がります。

「スイングした瞬間に腰がピキッと…」というのは、まさにこのパターンです。

ヨガで柔軟性を高める女性のイメージ。

腰痛を予防するためには、腰そのものを鍛えるよりも、日頃から腰以外の関節の柔軟性を高めることが大切です。

・胸椎の回旋ストレッチ

・股関節の前後開脚ストレッチ・股割ストレッチ

・お尻周りの筋肉の柔軟性を高めるエクササイズ

このような習慣を取り入れることで、腰が無理をする状況を減らせます。

ゴルフの場合は朝も早いので、コースについてパターを5分ほど行って、ティーグラウンドで2~3回素振りをしてスタート。なんて方も多いかもしれません。

しかしこれでは身体が温まるには不十分です。

・クラブを使ったストレッチや素振りを小さな幅から始めて徐々に大きくしていきながら腰を温める。

・車の移動中から腰にカイロなどを貼って温めておく。

などの対策を行うことで腰を痛めるリスクを軽減できます。

具体的な股関節と胸椎のエクササイズは下記のブログや動画が参考になると思います。

ゴルフ前これだけやって!整体師が考える「スタート前5分で関節・筋肉を目覚めさせるエクササイズ」

整体院 urokoBodyCare|上野で腰痛・肩こりで整体をお探しの方はurokoへ

股関節の柔軟性を上げるエクササイズ

お腹から股関節に繋がる大腰筋や鼠径部周辺の組織の伸びが悪くなるのも,仙腸関節の動きの妨げになります。

・足を前後に開いた状態で腰を床方向に落としていく。(このときに股関節の前面が伸ばされる感覚があればOK)

・片方ずつじっくりと伸ばすようにしてみてください。

【このストレッチを行う際の注意点】

・腰を反らせない。(腰に負担がかかるため最も注意)

・床の方向に身体を沈ませていくイメージで行う。

・1セット20~30秒ほど(固い人は1日3回を目安に)

※長期間に渡り股関節を伸ばす習慣の無い人は、この部分が相当固まってしまっているケースも多いです。

胸椎の回旋可動域UPさせるエクササイズ

・ベッドや床の上で4つんばいの姿勢になる

・エクササイズを行う側の手を側頭部に当てる

・そのまま胸椎だけを回旋させる

・1セット片側を10回ほど繰り返す

※スタートポジションが0°として最低でも45°位まで回せるのが理想です。

※股関節やカラダ全体を捻っても効果はありません。胸椎だけを捻りましょう。

お尻のセルフケア

股関節の柔軟性にはお尻の筋肉の柔らかさも重要です。

ボールを使ったお尻のほぐし方

・手を体側に付けた時に股関節の側方で触れる「大転子」を見つける。(大転子からお尻の筋肉が付着しています)

・横向きで寝て肘で身体を支えます。

・痛みを感じるポイントにボールを当てゆっくりと体重をかける。

・体重を深くかけて行ってもいいですし、ボールが当たっている側の膝を曲げ伸ばししたり、股関節を軽く曲げたり、伸ばしたりする方向に動かすと刺激が入りやすくなります。

・2、30秒ほど続ける

お尻の筋肉のストレッチ

・仰向けでベッドに寝る

・ストレッチする側の足は「くの字」に曲げて反対の太ももの上に乗せる(座っている時に足を組むような体勢)

・そのままストレッチをしない側の太ももを両手で抱えてお腹側に引いてくる。

・15~30秒ほど静止する(呼吸は止めない)

腰は「回す」ための関節ではありません。

日頃から股関節や胸椎が十分に動くようにセルフケアを行うことで、腰への負担を軽減できます。

日々の生活やスポーツの中で、腰に頼りすぎていないかを見直し、他の関節をうまく使える身体づくりを心がけましょう。

腰痛や腰椎の可動域について興味のある方は、ぜひ一度上野・稲荷町の整体院urokoBodyCareまでご連絡ください。

腰痛の施術の際は日頃のセルフケアが最も重要です。

urokoBodyCareではお一人お一人に適切なエクササイズの指導も行い、痛みの出にくいカラダ作りのサポートを行っております。

その他のゴルフに関連する記事も回旋可動域を増やすために役に立つ情報です。合わせてご覧ください。

股関節の可動域を増やしたい方はこちら↓

ゴルフスイングで股関節が動かない原因と改善ストレッチ【上野・稲荷町の整体師が解説】

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胸椎の可動域を増やしたい方はこちら↓

腰椎の回旋可動域が小さいのはなぜですか?

腰椎の関節突起(関節の形)が縦方向に向いているため、横方向への回旋は構造上ほとんどできません。

これは腰椎が前後の曲げ伸ばし(前屈・後屈)を得意とする一方で、回旋には不向きな形をしているためです。

「腰を回す」感覚があるのに、実際には腰が動いていないのですか?

感覚と実際の動きはずれることがあります。

体幹を捻る動きのほとんどは股関節と胸椎が担っており、腰椎自体はわずか5〜10°程度しか回旋しません。

腰を回しているように感じても、実際は隣接する関節が大きく動いています。

胸椎や股関節が硬いと、腰痛になりやすいのですか?

はい、その可能性があります。

胸椎や股関節の可動域が低下すると、本来これらの関節が担うはずの回旋動作を腰椎が代償することになり、構造的に苦手な方向への過負荷がかかります。

その積み重ねが腰の炎症や椎間板へのダメージにつながることがあります。

ゴルフや野球をしているのですが、腰を痛めないためにどこをケアすればよいですか?

スイング動作では股関節と胸椎の回旋が特に重要です。

プレー前に股関節の回旋ストレッチと胸椎のモビリティエクササイズを行い、小さい動きから徐々に大きくしてウォームアップすることで、腰への負担を軽減できます。

ゴルフの際に腰を痛めないためのエクササイズはこちらの記事でご紹介しています。

合わせてご覧ください!

週末のゴルフで身体が動かない原因と解決策【整体師が教える平日ケア5選】

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ぎっくり腰と腰椎の回旋は関係ありますか?

関係していることが多いとされています。

急な捻り動作や、体が温まっていない状態でのフルスイングなど、腰椎の可動域を超えた回旋が瞬間的に加わったときに腰の組織に過負荷がかかり、急性の腰痛(いわゆるぎっくり腰)が起きやすくなります。

参考文献

Fujii R, Sakaura H, Mukai Y, Hosono N, Ishii T, Hirai T, Iwasaki M, Yoshikawa H. Kinematics of the lumbar spine in trunk rotation: in vivo three-dimensional analysis using magnetic resonance imaging. Eur Spine J. 2007 Nov;16(11):1883-1891. doi: 10.1007/s00586-007-0373-3. PMID: 17549527

この記事を書いた人

魚住 享平
魚住 享平urokoBodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)

これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。

<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦

最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています