慢性腰痛に湿布は効果があるのか?
みなさんこんにちは!
上野・浅草エリアにありますボディケア・整体院「uroko」の魚住です。
当院には日々、肩こりや腰痛などの慢性的な痛みでお悩みの方が多く来院されます。
患者さんからよく聞かれる質問の一つに、
「湿布は慢性痛に効くんですか?」
と聞かれることがあります。

結論から申し上げると「慢性痛に湿布はほとんど効果がない」という結果が出ています。
今日はなぜ慢性痛に湿布や飲み薬が効果がないのかを調べたので、共有させていただければと思います。
普段みなさんは痛みがあるときに、どのような薬を使用されますか?
ロキソニンやボルタレン、イブプロフェンなどを使われる方が多いのではないでしょうか?
これらのお薬はNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれています。
果たしてどういった時にNSAIDsは効果があるのか?また効果を発揮しづらいのかをお伝えします。
目次
湿布薬に含まれるNSAIDs(エヌセイズ)とは?

NSAIDsは「非ステロイド性抗炎症薬」と呼ばれる薬で、炎症を抑え、痛みや腫れを和らげる作用があります。
炎症を引き起こす酵素をブロックすることで効果を発揮し、関節痛や腰痛、頭痛、月経痛など幅広い症状に使われています。
一時的に強い痛みを和らげてくれるため「即効性がある」と感じる方が多いと思います。
実際に私も頭痛の予兆が出た時に飲み始めると、ピーク時の痛みを抑えることが出来るのでNSAIDsの効果は実感しています。
みなさまの中にも痛み止めがあったおかげで、仕事を乗り切れたとか、痛みが緩和されたという実感を持っている方は非常に多いと思います。
ただし、これは急性の痛みの話で慢性痛の場合、効果はどうでしょうか?
次に「NSAIDsが慢性痛にも効くのか?」を調べてみました。
海外の論文で調べてみた
Cochrane(コクラン)とは、世界中の医学研究を集めて信頼性の高いまとめ(系統的レビュー)を発表している国際組織です。
「エビデンスの質が高い」とされ、多くの臨床ガイドラインの根拠になっています。
今回参考にしたのは以下の二つです。
- NSAIDsは慢性腰痛に効くのか?
→ Enthoven WTら, 2016, Cochrane Database of Systematic Reviews - NSAIDsは神経障害性疼痛に効くのか?
→ Moore RAら, 2015, Cochrane Database of Systematic Reviews
慢性腰痛に対する効果

まず慢性腰痛を対象にしたレビューでは、NSAIDsはプラセボ(偽薬)よりも痛みを和らげる効果があるとされていました。
しかしポイントがいくつかあり
- 効果の大きさは 「小さい」。
- 短期間の痛み軽減は認められるが、長期的な改善は確認されていない。
- 身体機能の改善もある程度見られるが、「わずかに」と表現されています。
結論は「ちょっと楽になることはあるけれど、根本的に慢性腰痛を改善する薬ではない」ということです。
神経障害性疼痛に対する効果
一方で神経障害性疼痛(坐骨神経痛、糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛など)についてのレビューでは、
NSAIDsが有効であるという根拠はほとんど見つかりませんでした。
そもそも質の高い研究が少なく、はっきりした結論を出すのも難しい状態でした。
少なくとも「効く」とは言い切れない、というのが現状です。
また神経性の疼痛の場合は他の薬の方が効果を認められているようです。
副作用のリスクも無視できない
NSAIDsは使い方によって非常に効果のある便利な薬ですが、使い方によっては身体に負担がかかります。
Cochrane(コクラン)のレビューでも報告されていましたが、消化器系の副作用(胃痛や胃潰瘍、出血など)が考えられます。
また他の研究では、心筋梗塞や脳卒中などの心血管系リスク、腎臓への負担も指摘されています。
実際わたしが過去にみてきた患者さんで長期間に渡り腰痛で湿布を張り続けた結果、腎臓を悪くしてしまったという方もいらっしゃいました。
そのため、痛みがあるときに常に常用するのではなく、必要に応じて使い分ける必要があります。
日・米・欧州のガイドラインによると

日本の慢性疼痛ガイドライン、そして米国や欧州の腰痛・関節症ガイドラインも、共通して次のような結論でした。
- まずは運動療法や生活習慣の改善など、非薬物療法を優先する
- それでも改善しない場合に、NSAIDsを短期間だけ使う
- 「最小有効量を最短期間」で使用し、リスクを管理する
つまり「薬は補助」であり、とくに慢性痛においては根本的な治療にはならない、ということです。
まとめ:慢性痛とNSAIDsの関係
ここまでの内容を整理すると…
- NSAIDsは慢性痛に対して短期的に多少の効果がある
- 効果の大きさは小さく、長期的改善にはつながらない
- 神経障害性疼痛(坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛)には有効性の根拠が乏しい
- 副作用があるため、使い方には注意が必要
- ガイドラインは「非薬物療法優先・薬は必要最小限」を推奨している
という結果でした。急性期の症状(捻挫した直後で痛みが強い、発熱した)などの場合はNSAIDs(痛み止め)の効果は非常に高いかと思います。
しかしこれが3か月以上経過した痛み、いわゆる慢性痛とよばれるものに関しての効果は論文の結果をみていただいた通り、あまり有効とは言えませんでした。
慢性痛に対してはテーピングを貼って負担の掛かっている筋の補助をしたり、ストレッチや体操によって身体を動かすことが重要となります。

「とりあえず湿布、貼っておきました」とか、「お守り代わりに湿布を貼っているんだよ」と仰る方もいます。
しかし湿布も薬なので、当然副作用もあり、十分に気を付ける必要があります。
使いどころを考えて、湿布と向き合えば効果もより出やすいのではないでしょうか?
また私が行っている、整体やカイロプラッティクの手技、メディセルは一切薬は使わない施術方法です。
薬のような副作用はないので、お薬に頼らずに身体を良くしたいという方にオススメの施術となります。
ご相談までは匿名でも構いませんのでLINEからお気軽にどうぞ。
この記事を書いた人

- urokoBodyCare院長
-
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)
これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。
<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦
最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています
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