スポーツの秋到来!!イマ知っておきたい「温める?」「冷やす?」正しいカラダケア

みなさんこんにちは。上野・浅草エリアにあるボディケア・整体院「uroko」の魚住です。

少しずつ夏の暑さも穏やかになり、みなさんが待ち焦がれた秋になってきましたね。

この時期になると私も大好きなゴルフに出かけたり、テニスやマラソンなど夏場は控えていた方も楽しまれる機会が増すのではないでしょうか?

そんな時に身体が痛くなってしまった場合にご自宅でのケアはどちらが良いのかという疑問が生まれます。

今日は患者さんからよく質問のある「温めるのか、冷やすのか」論争です。この問いに対して終止符を打つべく、私の考えや最新の研究を交えて、お伝えします。

先に結論だけ申し上げると急性期にはアイシング慢性期には温めるが今のところの最適解になります。

その理由はこれからお伝えしていきます。

温めることの効果

地元・富山の宇奈月温泉

温めることのメリットとしては血管が拡張し血流が改善することです。その結果、酸素や栄養が組織に届きやすくなり、疲労物質の排出も促進します。

さらに筋肉の緊張が和らぎ、慢性痛の改善にもつながります。日本人は昔から温泉や温めることが好きなので割と好きな方も多いと思います。

運動後の筋肉痛に対して

運動後の筋肉痛については、冷却も温熱もどちらも痛みを和らげる効果が確認されています。ただし持続時間に違いがあり、温める方が24時間後も効果が残るとする報告があります(MDPI Muscles, 2024)

アイシングの効果

炎症がある部位をアイスパックなどで冷やすと、組織の温度が下がり細胞の代謝活動が抑えられます。

また血管が収縮して血流が減ることで腫れの拡大を防ぎ、神経の伝達速度も低下して痛みを感じにくくなります。結果的に「二次的な組織損傷」を防ぐこともアイシングの大きなメリットです。

私が昔、勤めていた院では基本的に冷却を行うという施術を行っていました。

そのため院内には大きな製氷機があり、患者さんが来るたびに氷嚢に氷を詰める作業が新人の役割としてあったことを、ふと思い出して懐かしい気持ちになりました^^;

もうひとつ注意点とすればアイシングをする時に必ず保冷材ではなく普通の氷を使用するようにしてください。

保冷材は氷点下を下回っているので溶け始めはマイナスになっています。

それを直接肌に当てていると凍傷になる恐れがあるので、必ず氷で行いましょう。

どうしても手元にない場合は保冷剤を必ずタオルなどにくるんで冷やしてください。

わたしの症状は冷やす?温める?

症状によって温めるか冷やすかは異なります。

ここからは、いくつかの症例を元にどちらが正しいのかを見ていきましょう。

急性の捻挫の場合

急性期の捻挫などの場合は「圧迫+アイシング」の組み合わせが効果的とされています。

圧迫と冷却を併用することで腫れや痛みの軽減、歩行速度や距離の改善に有意差が出たとの報告もあります。

また急性期の場合は発痛物質の出現を抑えるためにもアイシングを行って、炎症を抑える必要があります。

ただし施術者の考えによっては温熱を行って一時的に炎症も増しますが、少しでも早く治癒過程に持っていくため、急性期も温めるという考えもありますが、私は冷やすことをオススメします。

特に受傷後48時間から72時間は炎症期と呼ばれこの期間は炎症が続きます。(新たに捻ったとか、更なる刺激が加わった場合は更に炎症期間は伸びます)

消炎鎮痛剤についての記事もあるのでよろしければ、こちらもご覧ください。

慢性腰痛に湿布は効果があるのか?

uroko BodyCare|東京都台東区上野の整体院

冷却のタイミングについて

冷却は「早ければ早いほど効果的」と言われています。

ケガ直後や炎症が始まったタイミングで冷やすことで、二次的なダメージを防ぐことができます。

2024年のScientific Reports の研究によると、スポーツ選手が強い筋損傷後にPCM(アイシング)をした群で筋肉痛や筋力回復に効果が見られた一方、マラソンのような持久的運動では効果が薄れることも示されています(Pochmarski et al., 2024)。

つまり持久系のマラソンより短距離やバスケットボールのような瞬発系の方がアイシングの効果は大きいようです。

72時間経過したの捻挫の場合

次に捻挫をしてから72時間経過したとしましょう。

すると今度は温める方に移行します。

この理由は先ほど申し上げたように炎症のピークは72時間を過ぎると落ち着きます。

急性期は脱したと考えて、温めて血流を促進して治癒を促していきます。

ただしあまりにも腫れが強い、熱感があるなどの場合はまだ冷やした方が良いですが理論上は72時間経過したら、温めるほうに切り替えです!

慢性痛は?

これに関してはどんどん温めましょう!

お風呂にゆっくり浸かって温めてあげることで血行が促進され、慢性化して血流が不足している箇所に酸素と栄養素を行きわたらせることで痛みを緩和させてくれます。

温熱と痛み止め(内服薬)を併用することで薬の使用量が減ったという報告もあり、副作用を減らす上で有効です。

ただし塗り薬との併用は禁忌とされており、皮膚刺激が強くなったり吸収が変化する恐れがあるため避けるべきです。

温めるのを避けるべきとき

温めるシーンは多いですが、行ってはいけない場面もあります。

  • 出血や皮下出血がある場合
  • 強い炎症が起きている場合
  • 糖尿病や関節リウマチ、がんのある方

2025年に国際分子科学ジャーナルで発表されたレビューでは、温度変化が炎症や凝固系に影響を与える可能性についても触れられており(Int. J. Mol. Sci., 2025)、特に基礎疾患のある方は注意が必要です。

まとめ

温めるか冷やすかはタイミングと目的によって使い分けることが大切です。

急性期(ケガ直後・ケガから72時間後くらいまで):冷却で痛みと腫れを抑える

慢性期(ケガから72時間以降を目安に):温熱で血流改善と筋緊張緩和

というのが今回の結論という事になります。

分かりやすく72時間を境に手前なら冷やす、過ぎたら温めると覚えていただくとおおよそ間違いはないかと思います。

ただしその人の過ごし方や負荷の掛かり具合によっては炎症の期間が異なる場合があります。あくまで目安として考えて下さい。

当院では整体や関節矯正を用いて皮膚・皮下組織・筋肉・関節調整を軸に施術を行っております。

セルフケアとして「冷却と温熱の正しい使い分け」もお伝えしていますので自分の症状がどちらが合っているか迷う方は、ぜひお気軽にLINEまでご相談ください。

この記事を書いた人

魚住 享平
魚住 享平urokoBodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)

これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。

<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦

最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています