腰椎サポーター、長期間の使用で筋力低下ってホント?
みなさんこんにちは。上野浅草エリアにあるボディケア整体サロン 「uroko」 の魚住です。
日に日に気温も低くなり、秋が深まっていくのを感じる今日この頃です。

さて本日は「腰椎サポーター」と「骨盤ベルト」についてのお悩みやご相談も多くいただくので、
最新の研究やレビュー、さらに私見も踏まえてお話していきます。
いきなりですが、みなさんはこんな噂を聞いたことはあるでしょうか?
「腰椎サポーターをしていると筋力が落ちるからやめた方がよい」
日々、腰痛に悩まされている人はこんな話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
実際腰がつらいときや骨盤の不安定感を感じるときに使用する腰椎サポーターや骨盤ベルト。
慢性的な腰痛の方は長期に渡り使用している方も非常に多いはずです。
そこで今回は最新の研究のデータを元に、腰椎サポーター・骨盤ベルトについての噂や効果のほどを探っていこうと思います。
※今回のブログはあくまで日常で使用のサポーターという意味でのお話です。
術後の固定などの場合のコルセットなどとは区別してお考え下さい。
目次
腰椎サポーターと骨盤ベルト2種類あるのはご存じですか?
まずはサポーターの種類の説明です。大きく分けて2種類あり腰を覆うように巻く腰椎サポーターと骨盤を締める骨盤サポーターにわかれます。
どちらも同じと思われている方か、そもそも知らなかった方がほとんどではないでしょうか?

腰椎サポーターはお腹周りを覆うように巻くことで腹腔内圧を高め、椎間板にかかる圧力を下げる効果があります。その結果、体幹の安定性が増し、力仕事やスポーツの場面で力を発揮しやすくなるという効果が期待できます。
トレーニングをされる方はスクワットやデッドリフトなど高重量を扱う時に巻くアレです。(もちろん材質や幅などは日常生活用とは異なりますが…(^^;))
骨盤ベルトは骨盤を覆うように固定します。仙腸関節の不安定性を抑えることに効果があり、日常の動作や歩行の快適さにつながる可能性があります。
腰椎ベルトに腰痛を予防する効果は?
まず腰痛を予防する目的で腰痛ベルトを使用する事についてですが
結論から言うと論文のデータによるとほぼ予防効果はなし。とのことでした。
これはかなり多くの方が驚かれる結果だったのではないでしょうか?
いかにもあるでしょうという見た目とは裏腹に、論文上では14,000人以上を対象にした大規模レビュー(質の低い研究も多いため参考程度)で効果なしとのことでした。
また、腰痛予防を目的とした動作改善トレーニングや運動との比較でも差はなく、「つけていれば予防できる」というものではないようです。
ぎっくり腰や・腰を痛めてから1~2週間の場合
ではぎっくり腰に関してはどうでしょうか?
これなら効果あるでしょうと期待を込めて調べた所…
こちらも結論から言うとぎっくり腰のような急性腰痛や、発症して数週間の腰痛においても、腰椎サポーター、骨盤ベルトによる明確な効果はありませんでした。
痛みを大きく改善したり、治癒を早めたりする科学的な根拠は乏しいのが現状です。
慢性腰痛の場合
それならば慢性腰痛ならどうかと思い調べてみましたが…
慢性腰痛についても、効果を裏付けるエビデンスは限定的でした。
短期的に痛みを改善する証拠はなく、長期的な使用による効果も確認されていません。
ただし、一部の研究では「初期段階の改善スピードが速い」ことが示されており、使い方によっては回復を早める「可能性がある」といった程度でした。
筋力低下は本当に起こるのか?
では論文上では「目立った効果は認められない」という事はわかりましたが、次に今回の本題である「サポーターの長期間の使用で筋肉が弱くなる」説に関してはどうでしょうか?
これは、私がこの業界に入った時から言われていた説できっと間違いはないはずです!
残念ながら…?
最新の研究では「サポーターを6か月使用しても筋持久力や筋萎縮は認められなかった」という報告がありました(・□・;)
しかし、この研究ではサポーターを使用している群の方が腰痛の改善が早く、筋持久力も早期に回復したという結果もあります。
つまり、「つけっぱなしにしていると筋肉が低下する」という説も6か月という期間においては間違いで、正しく使用すれば回復のサポートになる場合もあるようです。
サポーターは、なんの為に産まれたのか?
何のために産まれて~
何をして生きるのか~♪
このままではサポーターの存在価値を見失いそうな状況です…
しかし!そもそも効果がなければ令和の時代まで生き残れていないはずです。
歴史を調べると日本ではマッサージ器具で有名な中山式産業さんが1938年に日本で初の腰椎サポーターを発表したとのことでした。
誕生から約90年の歴史ある、腰椎サポーターが効果がないはずがありません。
メーカーのカタログとかみるとすごい数のサポーターがありますしね。
ここからは論文の結果は一旦置いといて、あくまで私の私見になりますが、腰椎サポーターおよび骨盤ベルトの効果について考えてみました。
体幹の安定化(私見その1)
これは先ほど少し触れた事ですが、腰椎サポーターをすることで腹圧が高まり、体幹の安定性が出ます。結果、物を持つ時など腰の負担が軽減されます。
トレーニング時にスクワットなどを高重量を扱う時にトレーニーや、スポーツ選手でも腰にベルトを巻いて行います。
特に高重量を扱うウエイトリフティングの選手も巻いてない人を見たことがありません。(私が知らないだけの場合は、すみません)
結果ベルトを巻く事によって、腰を保護する効果は一定数あるのではと考えます。
仙腸関節が不安定な場合(私見その2)
ぎっくり腰の時や出産直後の時などに仙腸関節が不安定になる事で、痛みが出るケースがあります。
このケースの場合は骨盤ベルトが効果を発揮するシーンだと思います。
施術をしていても骨盤を支えた時に動きが改善するタイプの方は、骨盤にベルトを巻くことで動きやすいとおっしゃる方が多いように思います。
また婦人科でも出産直後のお母さんには骨盤ベルトが渡されて巻くように指導されるかと思います。
出産期はホルモンの影響により通常以上に不安定になるため、やはり骨盤をベルトで締める事によって安定し痛みの軽減や不安定性の解消、力が入れやすいなどの効果はあるかと思います。
精神的な安心感(超私見その3)
これは更に感覚的な話になりますが、腰椎サポーターや骨盤ベルトを締めることで一種の安心感、守られている感じがある事も要因の一つではないでしょうか?
日々サポーターをつけていると外した時の脱力感があります。
そうすると腰に力が入らない感覚があり、その状態でなにか作業をするのが怖くなってしまうかと思います。
その思いからずっと外せずにいて、つけていると痛くないという気持ちもあるのでは無いでしょうか?(もちろん上記の効果も含めて)
余談ですが
面白いことに、ある検証では骨盤ベルトを最大限に締めると歩行速度や回転数が上がるという結果も出ているそうです。
これは腰椎ベルトには見られない現象で、骨盤の安定性が歩行の効率に寄与していると考えられます。
サポーター・骨盤ベルトの論文のまとめ
ここまでの研究をまとめると、次のように整理できます。
- 予防目的で常用するのは推奨されない(効果が乏しい)
- 急性腰痛や亜急性腰痛でも大きな効果は期待できない
- 慢性腰痛の初期回復を早める可能性はある
- 筋力低下は6か月であれば認められない(調査期間が6か月)
サポーター・骨盤ベルトのまとめ(私見)
- 腰椎サポーターは腹圧を上げて体幹の安定や力を入れやすくする効果がある。
- 仙腸関節が不安定な場合は骨盤ベルトが効果あり
- お守り効果であるだけで安心感
という感じになりました。
ただし論文上ではサポーターのあまり効果がないとされていましたが、研究の方法が揃わない、調査によって結果が異なるといった事も原因のようなので、今後はまた結果が変わってくるかもしれません。
また違いはないとされていましたが、私は長期間のコルセットでの固定は否定派で、筋力低下よりはないとは言われますが、腰椎ベルトを長期間巻いている方は腰椎を固定したまま動かす習慣がつき、腰椎を丸める、反らすといった動きが苦手になってしまっている印象があります。
さらに動くときに筋出力を発揮しなくても、動けてしまう事で、必要な時に力の出し方が分からないなんて事も起こっている気がします
また6か月以上の調査結果はないので5年、10年と使用し続けた時に筋力低下は、どうなるのかも気になる所です。
それぞれがサポーターの使用との因果関係があるのかを証明は出来ませんが、色々な方を施術してきて、そのように感じます。
つまり、サポーターやベルトは「ずっとつけっぱなしにする」のではなく、必要なときに腹圧を高めたり、骨盤を安定させたりサポートとして使うことで効果を発揮し、身体を守ってくれるものだと私は考えています。
LINEでも、必要に応じて腰椎サポーターや骨盤ベルトの使い方についてアドバイスを行っています。
もし腰椎サポーター・骨盤ベルトに関しての疑問があれば、お気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

- urokoBodyCare院長
-
<資格>
柔道整復師(施術歴18年)
これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。
<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦
最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています
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