運動後は冷やす?温める?捻挫・筋肉痛の正しいアイシング&温熱ケア【72時間の目安を解説】

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この記事でわかること

・温めることで血流が改善し、慢性痛の緩和につながる理由

・アイシングが「二次的な組織損傷」を防ぐメカニズム

・急性期と慢性期を分ける「72時間ルール」の根拠

・捻挫・筋肉痛・慢性痛それぞれに適したケア方法

・保冷剤をそのまま使うと凍傷になる危険性

・温熱を避けるべき基礎疾患・状況の具体的リスト

みなさんこんにちは。

上野・稲荷町の整体院urokoBodyCareの魚住です。

今日は患者さんからよく質問のある「温めるのか、冷やすのか」論争についてのお話です。

この問いは、昔からご来院の方によく尋ねられる質問の1つです。

ちなみに第一位は「自分の指は痛くなりませんか?」です(^^;

同業者ならきっと賛同を得られるはず。

確かに今の自分の症状は温める・冷やすどちらが適切なのか?判断に迷うことも多いでしょう。

そこで今回はこの問題に終止符を打つべく、私の考えや最新の研究を交えて、お伝えします。

先に結論だけ申し上げると急性期にはアイシング慢性期には温めるが今のところの最適解になります。

その理由はこれから柔道整復師として18年以上の経験のある魚住が、お伝えしていきます。

温めるイメージ。宇奈月温泉の画像。
地元・富山の宇奈月温泉

温めることのメリットとしては血管が拡張し血流が改善することです。その結果、酸素や栄養が組織に届きやすくなり、疲労物質の排出も促進します。

さらに筋肉の緊張が和らぎ、慢性痛の改善にもつながります。日本人は昔から温泉や温めることが好きなので割と好きな方も多いと思います。

運動後の筋肉痛に対して

運動後の筋肉痛については、冷却も温熱もどちらも痛みを和らげる効果が確認されています。

ただし持続時間に違いがあり、温める方が24時間後も効果が残るとする報告があります(MDPI Muscles, 2024)

マネージャーが捻挫した選手の足首を冷やすイメージ画像。

炎症がある部位をアイスパックなどで冷やすと、組織の温度が下がり細胞の代謝活動が抑えられます。

また血管が収縮して血流が減ることで腫れの拡大を防ぎ、神経の伝達速度も低下して痛みを感じにくくなります。

結果的に「二次的な損傷」を防ぐこともアイシングの大きなメリットです。

アイシングは「やりすぎ注意」という新たな視点

捻挫した選手の元にアイスバケツを届けるマネージャーの画像。

近年、アイシングの使いすぎに注意を促す研究も増えています。

動物実験では、受傷後に長時間アイシングを行うと、筋肉の修復に必要なマクロファージ(免疫細胞)の働きが乱れ、筋繊維の再生が遅れる可能性が示されています(Journal of Applied Physiology, 2021)。

つまりアイシングは「炎症を抑えて痛みと腫れを早期に和らげる」という短期的な目的には非常に有効です。

しかし、長時間・長期間にわたる使用は回復を妨げる可能性もあります。

1回15〜20分を目安に、当てすぎないことが重要です。

「アイシングで炎症を完全に無くせば良い」というわけではなく、炎症自体が治癒に必要なプロセスの一部であることを覚えておいてください。

アイシングの際は保冷剤での凍傷にも気をつけて

もうひとつ注意点とすればアイシングをする時に必ず保冷材ではなく普通の氷を使用するようにしてください。

保冷材は氷点下を下回っているので溶け始めはマイナスになっています。

それを直接肌に当てていると凍傷になる恐れがあるので、必ず氷で行いましょう。

どうしても手元にない場合は保冷剤を必ずタオルなどにくるんで冷やしてください。

症状によって温めるか冷やすかは異なります。

ここからは、いくつかの症例を元にどちらが正しいのかを見ていきましょう。

急性の捻挫の場合

急性期の捻挫などの場合は「圧迫+アイシング」の組み合わせが効果的とされています。

圧迫と冷却を併用することで腫れや痛みの軽減、歩行速度や距離の改善に有意差が出たとの報告もあります。

また急性期の場合は発痛物質の出現を抑えるためにもアイシングを行って、炎症を抑える必要があります。

捻挫をしてピッチに倒れ込む男性の画像。

ただし施術者の考えによっては温熱を行って一時的に炎症も増しますが、少しでも早く治癒過程に持っていくため、急性期も温めるという考えもありますが、私は冷やすことをオススメします。

特に受傷後48時間から72時間は炎症期と呼ばれこの期間は炎症が続きます。(新たに捻ったとか、更なる刺激が加わった場合は更に炎症期間は伸びます)

消炎鎮痛剤についての記事もあるのでよろしければ、こちらもご覧ください。

慢性腰痛に湿布は効かない?NSAIDsの効果と限界を柔道整復師が解説

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ケガをした直後のアイシング

冷却は「早ければ早いほど効果的」と言われています。

ケガ直後や炎症が始まったタイミングで冷やすことで、二次的なダメージを防ぐことができます。

またアイシングの効果は運動の種類によっても変わると言われております。

短距離走やバスケットボールのように筋肉に強い瞬発的な負荷がかかる種目では、運動後の冷却が筋力回復や筋肉痛の軽減に効果的とされています。

一方でマラソンのような長時間の持久的運動後は、冷却の効果が限定的になるという報告もあります。

運動の内容に合わせて冷却の適否を判断することも大切です。

72時間経過したの捻挫の場合

寒いグラウンドで温かいコーヒーを飲み暖を取るマネージャー。

次に捻挫をしてから72時間経過した場合です。

72時間を経過したのちに、今度は温める方に移行します。

この理由は先ほど申し上げたように炎症のピークは72時間を過ぎると落ち着きます。

急性期は脱したと考えて、温めて血流を促進して治癒を促していきます。

ただしあまりにも腫れが強い、熱感があるなどの場合はまだ冷やした方が良い場合もあります。

様子をみながら72時間を目安に、温めるほうに切り替えるようにしてください。

慢性痛は?

自宅でカラダを温めているマネージャーのイメージ画像。

これに関してはどんどん温めましょう!

お風呂にゆっくり浸かって温めてあげることで血行が促進され、慢性化して血流が不足している箇所に酸素と栄養素を行きわたらせることで痛みを緩和させてくれます。

温熱と痛み止め(内服薬)を併用することで薬の使用量が減ったという報告もあり、副作用を減らす上で効果があるとされています。

ただし塗り薬と温熱の併用は禁忌とされており、皮膚刺激が強くなったり吸収が変化する恐れがあるため避けるようにしてください。

温めた方が良いケースも多いですが、行ってはいけない場面もあります。

・出血や皮下出血がある場合

・強い炎症が起きている場合

・糖尿病や関節リウマチ、がんのある方

2025年に国際分子科学ジャーナル(Int. J. Mol. Sci.)で発表されたレビューでは、温度変化が炎症反応や血液凝固系に影響を及ぼす可能性が示されています。

特に凝固因子に異常がある方への温熱・冷却ケアは慎重に行う必要があると報告されています(Brancato et al., 2025)。

糖尿病や関節リウマチなど基礎疾患がある方は、温度感覚が低下している場合があり、低温やけどや冷やしすぎによるトラブルが起きやすくなります。

セルフケアを行う場合はかかりつけ医にご相談の上、短時間・適温で行うことを心がけてください。

運動後は冷やす?温める?捻挫・筋肉痛の正しいアイシング&温熱ケア【72時間の目安を解説】まとめた画像

温めるか冷やすかはタイミングと目的によって使い分けることが大切です。

急性期(ケガ直後・ケガから72時間後くらいまで):冷却で痛みと腫れを抑える

慢性期(ケガから72時間以降を目安に):温熱で血流改善と筋緊張緩和

というのが今回の結論という事になります。

上野・稲荷町の整体院urokoBodyCareのカウンセリングの様子。

分かりやすく72時間を境に手前なら冷やす、過ぎたら温めると覚えていただくとおおよそ間違いはないかと思います。

ただしその人の過ごし方や負荷の掛かり具合によっては炎症の期間が異なる場合があります。あくまで目安として考えて下さい。

上野・稲荷町の整体院urokoBodyCareでは整体や関節矯正を用いて皮膚・皮下組織・筋肉・関節調整を軸に施術を行っております。

セルフケアとして「冷却と温熱の正しい使い分け」もお伝えしていますので自分の症状がどちらが合っているか迷う方は、ぜひお気軽にLINEまでご相談ください。

銭湯と整体の相性について解説するブログもございます。

整体院urokoBodyCareから徒歩3分にある「寿湯」さんに行ってきたレビューと共に解説しています。

アイシングに使う氷は何分くらい当てればいいですか?

一般的には1回15〜20分が目安です。

当てすぎると凍傷のリスクがあるため、皮膚の感覚がなくなってきたらいったん外してください。

1〜2時間おきに繰り返すと効果的です。

運動後の筋肉痛には冷やすか温めるかどちらが良いですか?

運動直後の急性期には冷却が痛みの軽減に効果的ですが、24時間を超えると温熱の方が継続的な効果を持つとされています。

軽い筋肉痛であれば翌日以降は入浴で温めることをお勧めします。

保冷剤をそのまま使っても大丈夫ですか?

保冷剤は氷点下まで冷えるため、直接肌に当てると凍傷になる危険があります。

必ずタオルで包んでから使用してください。

アイシングには普通の氷(氷嚢)を使うのが最も安全です。

捻挫から72時間たったのに、まだ腫れている場合はどうすればいいですか?

腫れや熱感が残っている場合は、まだ炎症が続いていると考えられます。

72時間はあくまで目安ですので、腫れ・熱感が続く間はアイシングを継続し、症状が落ち着いてから温熱に切り替えてください。

改善しない場合は早めに専門家にご相談ください。

糖尿病や関節リウマチがあっても温熱ケアは使えますか?

これらの基礎疾患がある方は、温度に対する感覚が鈍くなっていたり、炎症や循環への影響が出やすい場合があります。

温熱ケアを行う場合はかかりつけ医に相談した上で、低温やけどに特に注意してください。

【参考文献】

  1. Liao CD, et al. Heat and cold therapy reduce pain in patients with delayed onset
    muscle soreness: A systematic review and meta-analysis of 32 randomized controlled
    trials. Phys Ther Sport. 2021;48:177-187.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33493991/
  2. Yoshida R, et al. The Effect of Single Bout Treatment of Heat or Cold Intervention
    on Delayed Onset Muscle Soreness Induced by Eccentric Contraction.
    Healthcare. 2022;10(12):2556.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36554080/
  3. Pilastri M, et al. Current Indications and Future Direction in Heat Therapy for
    Musculoskeletal Pain: A Narrative Review. Muscles. 2024;3(3):212-223.
    https://www.mdpi.com/2813-0413/3/3/19
  4. Brancato AM, et al. The Role of Temperature on Inflammation and Coagulation:
    Should We Apply Temperature Treatments for Hemophilic Arthropathy?
    Int J Mol Sci. 2025;26(5):2282.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40076909/

この記事を書いた人

魚住 享平
魚住 享平urokoBodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴19年)

これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。

<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦

最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています