腰椎サポーターで筋力低下は本当に起きる?整体師が18年の経験と論文データで解説

この記事でわかること
・腰椎サポーターと骨盤ベルトの違いと、それぞれの目的
・腰痛の予防・急性期・慢性期でのサポーターの効果(論文データ)
・長期使用で筋力が低下するという説の真偽
・整体師の視点から見た「サポーターが本当に役立つ場面」
・正しいサポーターの使い方と使用上の注意点
みなさんこんにちは。
上野(東上野)・稲荷町の整体院urokoBodyCare(ウロコ)の魚住です。
さて本日は「腰椎サポーター」と「骨盤ベルト」についてのお悩みやご相談も多くいただくので、最新の研究やレビュー、さらに私見も踏まえてお話していきます。
いきなりですが、みなさんはこんな噂を聞いたことはあるでしょうか?
「腰椎サポーターをずっとつけていると筋力が低下するから、やめた方がよい」
まことしやかに囁かれる、こんな話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
実際に腰がつらいときや骨盤の不安定感を感じるときに使用する腰椎サポーターや骨盤ベルト。
慢性的な腰痛の方は長期に渡り、腰痛サポーターの効果を信じて、使用している方も非常に多いはずです。
また、どのタイミングまで巻いているのが良いのか?迷われる方もいらっしゃるのでは、ないでしょうか?
そこで今回は最新の研究のデータを元に、腰椎サポーター・骨盤ベルトについての噂や効果のほどを施術歴18年の柔道整復師の魚住が探っていこうと思います。
※今回のブログはあくまで日常で使用のサポーターという意味でのお話です。
術後の固定などの場合のコルセットなどと区別してお考え下さい。
目次
腰椎サポーターと骨盤ベルト2種類の違いとは?
まずはサポーターの種類の説明です。
大きく分けて2種類あり
「腰を覆うように巻く腰椎サポーター」と
「骨盤を締める骨盤サポーター」にわかれます。
どちらも同じと思われている方か、そもそも知らなかった方が、ほとんどではないでしょうか?

腰椎サポーターはお腹周りを覆うように巻くことで腹腔内圧を高め、椎間板にかかる圧力を下げる効果があります。
その結果、体幹の安定性が増し、力仕事やスポーツの場面で力を発揮しやすくなるという効果が期待できます。
トレーニングをされる方はスクワットやデッドリフトなど高重量を扱う時に巻くアレです。(もちろん材質や幅などは日常生活用とは異なりますが…(^^;))
骨盤ベルトは骨盤を覆うように固定します。
仙腸関節の不安定性を抑えることに効果があり、日常の動作や歩行の快適さにつながる可能性があります。
腰椎サポーターに腰痛予防効果はあるのか【論文で確認】
まず腰痛を予防する目的で腰痛ベルトを使用する事についてです。
結論から言うと論文のデータによるとほぼ予防効果はなし。とのことでした。
これはかなり多くの方が驚かれる結果だったのではないでしょうか?

いかにもあるでしょうという見た目とは裏腹に、論文上では14,000人以上を対象にした大規模レビュー(質の低い研究も多いため参考程度)で効果なしとのことでした。(van Duijvenbode et al., 2008)
また、腰痛予防を目的とした動作改善トレーニングや運動との比較でも差はなく、「つけていれば予防できる」というものではないようです。
ぎっくり腰や・腰を痛めてから1~2週間の場合の骨盤ベルト・腰椎サポーターの効果
ではぎっくり腰に関してはどうでしょうか?
これなら効果あるでしょうと期待を込めて調べた所…
こちらも結論から言うとぎっくり腰のような急性腰痛や、発症して数週間の腰痛においても、腰椎サポーター、骨盤ベルトによる明確な効果はありませんでした。
痛みを大きく改善したり、治癒を早めたりする科学的な根拠は乏しいのが現状です。
慢性腰痛の場合の骨盤ベルト・腰椎サポーターの効果
それならば慢性腰痛ならどうかと思い調べてみましたが…
慢性腰痛についても、効果を裏付けるエビデンスは限定的でした。
短期的に痛みを改善する証拠はなく、長期的な使用による効果も確認されていません。
ただし、一部の研究では「初期段階の改善スピードが速い」ことが示されており、使い方によっては回復を早める「可能性がある」といった程度でした。
腰痛サポーターで筋力低下は本当に起こるのか?
論文上では「腰痛サポーターに目立った効果は認められない」という事はわかりましたが、次に今回の本題である「サポーターの長期間の使用で筋肉が弱くなる」説に関してはどうでしょうか?
これは、私がこの業界に入った時から言われていた説できっと間違いはないはずです!
残念ながら…?
最新の研究では「サポーターを6か月使用しても筋持久力や筋萎縮は認められなかった」という報告がありました。(Azadinia et al., 2017 / Takasaki & Miki, 2017)
しかし、この研究ではサポーターを使用している群の方が腰痛の改善が早く、筋持久力も早期に回復したという結果もあります。
つまり、「つけっぱなしにしていると筋肉が低下する」という説も6か月という期間においては間違いで、正しく使用すれば回復のサポートになる場合もあるようです。
サポーターは、なんの為に産まれたのか?
何のために産まれて~
何をして生きるのか~♪
このままではサポーターの存在価値を見失いそうな状況です…
しかし!そもそも効果がなければ令和の時代まで生き残れていないはずです。
歴史を調べると日本ではマッサージ器具で有名な中山式産業さんが1938年に日本で初の腰椎サポーターを発表したとのことでした。
誕生から約90年の歴史ある、腰椎サポーターが効果がないはずがありません。
メーカーのカタログとかみるとすごい数のサポーターがありますしね。
ここからは論文の結果は一旦置いといて、あくまで私の私見になりますが、腰椎サポーターおよび骨盤ベルトの効果について考えてみました。
腰痛サポーターの効果について(魚住の私見)
腰痛サポーターの効果について 体幹の安定化(私見その1)
これは先ほど少し触れた事ですが、腰椎サポーターをすることで腹圧が高まり、体幹の安定性が出ます。
結果、物を持つ時など腰の負担が軽減されます。
トレーニング時にスクワットなどを高重量を扱う時にトレーニーや、スポーツ選手でも腰にベルトを巻いて行います。
特に高重量を扱うウエイトリフティングの選手で腰椎サポーターもしくは骨盤ベルトを巻いてない人を見たことがありません。(私が知らないだけの場合は、すみません)
結果ベルトを巻く事によって、腰を保護する効果は一定数あるのではと考えます。
腰痛サポーターの効果について 仙腸関節が不安定な場合(私見その2)
ぎっくり腰の時や出産直後の時などに仙腸関節が不安定になる事で、痛みが出るケースがあります。
このケースの場合は骨盤ベルトが効果を発揮するシーンだと思います。
施術をしていても骨盤を支えた時に動きが改善するタイプの方は、骨盤にベルトを巻くことで動きやすいとおっしゃる方が多いように思います。
また婦人科でも出産直後のお母さんには骨盤ベルトが渡されて巻くように指導されるかと思います。
出産期はホルモンの影響により通常以上に不安定になるため、やはり骨盤をベルトで締める事によって安定し痛みの軽減や不安定性の解消、力が入れやすいなどの効果はあるかと思います。
腰痛サポーターの効果について 精神的な安心感(超私見その3)
これは更に感覚的な話になりますが、腰椎サポーターや骨盤ベルトを締めることで一種の安心感、守られている感じがある事も要因の一つではないでしょうか?
日々サポーターをつけていると、外した後は腰まわりの脱力感があります。
そうすると腰に力が入らない感覚があり、その状態でなにか作業をするのが怖くなってしまうのでは?と思います。
その思いからずっと腰椎サポーター、骨盤ベルトを外せずにいるという方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?(もちろん上記の効果も含めて)
余談ですが…
面白いことに、ある検証では骨盤ベルトを最大限に締めると歩行速度や回転数が上がるという研究もあるそうです。
これは腰椎ベルトには見られない現象で、骨盤の安定性が歩行の効率に寄与していると考えられます。
腰椎サポーターで筋力低下は本当に起きる?【論文まとめ】【私見まとめ】
ここまでの研究をまとめると、次のように整理できます。

・予防目的で常用するのは推奨されない(効果が乏しい)
・急性腰痛や亜急性腰痛でも大きな効果は期待できない
・慢性腰痛の初期回復を早める可能性はある
・筋力低下は6か月であれば認められない(調査期間が6か月)
腰椎サポーターで筋力低下は本当に起きる?【まとめ(私見)】

・腰椎サポーターは腹圧を上げて体幹の安定や力を入れやすくする効果がある。
・仙腸関節が不安定な場合は骨盤ベルトが効果あり
・お守り効果があり、巻いているだけで安心感
という結果になりました。
ただし論文上ではサポーターのあまり効果がないとされていましたが、研究の方法が揃わない、調査によって結果が異なるといった事も原因のようなので、今後はまた結果が変わってくるかもしれません。

ちなみに私は長期間のコルセットでの固定は否定派です。
筋力低下よりはないと論文上では言われますが、腰椎ベルトを長期間巻いている方は腰椎を固定したまま動かす習慣がつき、腰椎を丸める、反らすといった動きが苦手になってしまっている印象があります。
さらに動くときに筋出力を発揮しなくても、動けてしまう事で、必要な時に力の出し方が分からないなんて事も起こっている気がします
また6か月以上の調査結果はないので5年、10年と使用し続けた時に筋力低下は、どうなるのかも気になる所です。
それぞれがサポーターの使用との因果関係があるのかを証明は出来ませんが、色々な方を施術してきて、そのように感じます。
つまり、サポーターやベルトは「ずっとつけっぱなしにする」のではなく、必要なときに腹圧を高めたり、骨盤を安定させたりサポートとして使うことで効果を発揮し、身体を守ってくれるものだと私は考えています。
LINEでも、必要に応じて腰椎サポーターや骨盤ベルトの使い方についてアドバイスを行っています。
もし腰椎サポーター・骨盤ベルトに関しての疑問があれば、上野(東上野)・稲荷町の整体院urokoBodyCare(ウロコ)まで、お気軽にご相談ください。
慢性的な腰痛に湿布は効果があるのか?という疑問にもお答えしています。
こちらもなかなか面白い記事になっているので、合わせてご覧ください!
よくある質問
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腰椎サポーターと骨盤ベルトは何が違いますか?
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腰椎サポーターはお腹周りを覆って腹腔内圧を高め、椎間板への負担を軽減するタイプです。
一方の骨盤ベルトは骨盤まわりを固定し、仙腸関節の不安定性を抑えることを目的としています。
形状も効果も異なるため、悩みに合わせて選ぶことが大切です。
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腰椎サポーターをずっとつけていると筋肉が弱くなりますか?
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最新の研究では、6か月間の継続使用で筋持久力の低下や筋萎縮は確認されなかったという報告があります。
ただし6か月を超える長期使用については十分なデータがなく、また腰を自由に動かす習慣が失われる可能性も考えられます。
「常時着用」より「必要な場面での使用」が推奨されます。
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ぎっくり腰になったとき、サポーターはつけた方がいいですか?
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論文上では急性腰痛(ぎっくり腰)に対するサポーターの明確な効果は確認されていません。
ただし、仙腸関節の不安定感が強い場合は骨盤ベルトが動きを助ける場合もあります。
使用するかどうかは症状や動作の状態をみて判断するのが望ましいです。
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腰椎サポーターは予防のために普段からつけておいた方がいいですか?
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14,000人以上を対象にした大規模な研究では、予防目的での常時使用に明確な効果は認められていません。
運動や姿勢改善との差もなかったとされており、「つけていれば防げる」というわけではないようです。
重い荷物を持つ作業など、負担のかかる場面での一時的な使用が現実的です。
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産後に骨盤ベルトを使うのは意味がありますか?
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出産後はホルモンの影響で骨盤まわりの靭帯が緩みやすく、仙腸関節が不安定になりやすい時期です。
この時期に骨盤ベルトで骨盤を固定することで、痛みの軽減や動作のしやすさにつながる可能性があります。
産婦人科でも着用指導が行われることが多く、産後の骨盤ケアとして活用されています。
参考論文
著者 van Duijvenbode IC, Jellema P, van Poppel MNM, van Tulder MW 2008年
タイトル Lumbar supports for prevention and treatment of low back pain
著者 Azadinia F, Ebrahimi Takamjani E, Kamyab M, Parnianpour M, Cholewicki J, Maroufi N 2017年
タイトル Can lumbosacral orthoses cause trunk muscle weakness? A systematic review of literature
著者Takasaki H, Miki T 2017年
タイトルThe impact of continuous use of lumbosacral orthoses on trunk motor performance: a systematic review with meta-analysis
この記事を書いた人

- urokoBodyCare院長
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<資格>
柔道整復師(施術歴18年)
これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。
<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦
最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています








