腸腰筋・腹斜筋の短縮が引き起こす腰痛 デスクワーク40代女性の施術例【柔道整復師が解説】

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この記事でわかること

・腸腰筋・腹斜筋が短縮すると腰痛が起こるメカニズム

・デスクワーク中に体が左に傾きやすい理由と腰への影響

・腰や背中だけほぐしても改善しにくい腰痛の原因

・お腹まわりへの施術が腰痛改善に効果的な理由

・腰を反らせると痛い症状へのアプローチの順番

みなさんこんにちは!

上野・稲荷町の整体院urokoBodyCareの魚住です。

さて今日からは腸腰筋と腹斜筋の短縮が元になって起こった腰痛の症例の紹介を行って行きます。

みなさんは腸腰筋と言う筋肉はご存じですか

この筋肉は股関節を屈曲させる筋肉の中で最大の筋肉と言われています。

ランニングを熱心にされる方であればこの腸腰筋が走るために重要ということで知っていらっしゃる方もいるかもしれません。

しかしこの筋肉はトレーニングをして痛めるだけでなく、日常生活で座っているだけでも問題を起こしてしまう筋肉です。

今回はデスクワークが続き腸腰筋や腹斜筋の短縮が引き起こした腰痛の症例について柔道整復師として施術歴19年の魚住が解説していきます。

実際にご自身に当てはまる症状や感覚がないか確認しながら読んでいただけると幸いです。

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この記事を書いた人

魚住享平

整体院urokoBodyCare院長

<資格>

柔道整復師(施術歴19年)

メディセリスト

のべ3万人以上の施術経験と解剖学に基づき施術を行っております。

今回のモデル。40代。デスクワークに従事。趣味は読書の女性のケースをまとめた画像。

・1日8~10時間ほどデスクワーク。出勤と在宅が半々。

・もともと腰痛持ちだが、最近になり左腰の違和感が取れなくて困っている。

・休日は自宅で横になりスマホで読書をしている時間が多い。

・会社のイベントで定期的にウォーキングをしている

・何年かに一度ぎっくり腰になっている

施術前のカラダの状態をまとめた画像。

・腰を反らせると左腰に痛み。

・長時間のデスクワークの後などは腰が伸びずらい感覚

・下肢や腕まわりが常に重くダルい感覚が常にある

・首や肩もデスクワークにて常に疲労を感じている

・過去のケガなどは特になし

・他の院で1度施術を受けたが、すぐに症状が戻ってしまった。

カウンセリングを経て実際にカラダの状態の確認をイメージしたイラスト

・腰を反らす時に左腹部が伸びず、右の腰と同じような動きができない

・座った際にカラダがやや左に傾いている

・腰の伸展時に上部胸椎の可動性が足りない

・腰を曲げる、捻るなどの動作は来院時はそこまで痛みはなし

・いつも通りに座ってもらうと円背姿勢(背中が丸まった状態)

・腰周辺の筋肉は、全体的に固さあり

・左のお腹を支えた状態で腰を反らせると痛みが解消。

・うつ伏せで仙腸関節を圧迫するテストを行うと少し腰に痛みがでる。

といった状態でした。

基本のカラダの形は典型的なデスクワーク姿勢。猫背・巻き肩、腰や背中の筋肉が固いという状態。

座った状態でカラダが左に傾いているので、どちらかと言うと左に負荷を掛けやすい座り方になっていそうです。

検査をした上で痛みの解消に繋がりそうなポイントとしては、

・左の腹部を支えると痛みが軽くなる

・骨盤圧迫時の痛みと仙腸関節の動きの悪さ

この2つが検査の時点では今回の痛み解消のカギになりそうです。

カラダの状態を説明する様子。

少し本編に行く前に脇道にそれようと思います。

みなさんは腰痛が起こる時にどっちが割合が多いと思いますか?

「右か左か?」

この問いに対しての答えは「どちらでもない」が調査の結果としては正しいです。

しかし、他の論文のデータを見ると腰の筋肉は左側の方が筋量が多い。そんなデータもあります。

脊柱起立筋は左側がやや大きい傾向を示した研究データ(Fortin et al., 2011)

ただし、この論文の結果は決してそれがイコール腰痛は、左に多いという話ではありません。

魚住の持論

ここからは私の仮説になります。

私が、これまで見てきた腰痛の割合としては、どちらかというと左が多いように思います。

その理由としては、「日本人は右利きが9割だから」

では実際にカラダを動かしながら考えてみてください。

あなたは右利きだとして右手を動かす時に、左と右どちらに傾いた時の方が右手を動かしやすいですか?

恐らく9割以上の方が左にカラダを預けて右手を動かす方が使いやすかったのではないでしょうか?

確かにデスクワークでは両手を器用に使っています。

しかし利き手を使いやすくしたいという気持ちは、自然と出てしまうでしょう。

すなわちデスクワーク中にカラダを左側で支え、1日働く。

左に傾いた状態が続く事で左側の筋肉に負荷が掛かり長い目でみると筋緊張や筋肥大が起こる。

このような流れで先ほどの論文の答えと結びつくのでは?

そんな風に私は考えています。

腰や臀部の施術の様子。

では前置きが長くなってしまいましたが、施術の方を始めていきます。

今回気になるのは、左のお腹周りの筋肉と仙腸関節という骨盤の関節です。

直接ここからスタートすることもありますが、今回が周囲の筋肉の緊張も大分強いため先に背中~腰~下肢にかけてほぐす所から始めます。

前述した通り、腰や背中、お尻まわりは大分筋肉が固くなっています。

背中は背骨まわりをほぐしておくことで背中が緩みやすくなり、呼吸のしやすさや交感神経の高ぶりを押さえるなどの効果が期待できます。

またデスクワークに従事される方は指や腕をほぐしておくことも背中を緩める上では重要だと私は思っています。

手と背中が関係あるのと思われる方もいるかもしれませんが、ほぐす前と後では大きく変化していることもあるので、みなさんにも日頃からセルフケアを行って欲しいポイントの1つです。

腸腰筋を表したイラスト

ひと通り関係のある場所をほぐしたので、ここから本題に入っていきたいと思います。

今回検査を行った時に腰の痛みに変化があったのは、お腹を支えて動いてもらった時です。

通常腰を反らせる時は腸腰筋が収縮するタイミングではありません。

しかしなぜ腸腰筋が関わってくるのでしょうか?

腰を後ろに反らせようとすると、カラダが全体に後ろに倒れていこうとします。

それではマズいのでカラダは反応としてその場所でカラダを維持しようとします。

この時に腸腰筋が姿勢をキープするために仕事をします。

しかしこの方の場合は、デスクワークで常に左のお腹を縮めていた為か左の腸腰筋が働きづらくなっていそうです。

そこで、腸腰筋が再度働きやすい状態を取り戻すために刺激を入れて再び収縮が入るようになれば、腰を反らせた時の痛みが軽減するのでは?と考えました。

腸腰筋は腰から骨盤を繋ぐ筋肉で、私個人としてはお腹の深部にあるため体表からの直接的な圧迫は難しい(一部の人は除く)と考えています。

そのため股関節の骨に付く手前の場所と腸腰筋に対してストレッチを掛けて変化を出すようにしました。

ひとしきり施術を行ってここで一度動きの変化を見ます。

すると最初より腰を反らせた時の痛みが引いていました。

先に背中をほぐしておいた事で背中も反らせやすくなったことも要因でしょう。

しかし、痛みはまだ残っているので他の原因を探る事にしました。

ここで再度、座った状態で腰の動きを確認してみます。

すると先ほどより動きはスムーズですが、まだ左に比べて腰を反らせる際に引っ掛かるような感じがあります。

そこで周辺の筋の状態を再度確かめてみた所、腸骨の前面の骨の際の所で明らかに強い圧痛を見つけました。

位置的には腹斜筋が付着する場所です。

この部位を優しく深く緩めていきます。

これまで何度も施術を受けた事がある人でもお腹まわりは触られた経験が無いと仰るかたも多いです。

しかし腰痛は腰だけの問題でなく背中やお尻や足、お腹などあらゆる所の問題が複合して出る事がほとんどです。

そのため、今回のように当院ではお腹周りの施術をすることも多々あります。

お腹周りを緩めたのちに、再度動きの確認を行いました。

すると腰を反らせた時の痛みは、ほとんど軽減されていました。

整体院urokoBodyCareで腰の施術をする様子。

今回の症状を振り返ってみます。

腰痛に与える影響が強い順に

①腸腰筋

②腹斜筋および腹部の皮下組織

③仙腸関節

④背中や腰まわりの筋肉

といった順番だったのではと思います。

これらは単独で出ている訳ではないので、施術の順番によっては感じ方は異なったかもしれません。

長時間のデスクワーク左を縮めた状態で座る

伸ばす習慣がなく腸腰筋・腹斜筋が短縮し、力が発揮しづらくなる

その姿勢が固定され日に日に痛みの出る動作や時間が増える

背中の硬さや周囲が症状をより強固なものとする

このような流れで、症状が定着していったものだと考えられます。

ちなみに当院にご来院の前に受けた施術ではお腹まわりを触られる事は無く、腰や背中だけの施術だけだったようです。

今回は40代女性・デスクワーク従事者の左腰痛を例に、腸腰筋と腹斜筋の短縮が腰痛に与える影響について解説しました。

今回の症例で腰痛に関わっていた要因を整理すると以下の通りです。

・長時間のデスクワークで左側を縮めた姿勢が続いていた

・腸腰筋と腹斜筋が短縮し、腰を反らす動作で十分に機能できなくなっていた

・仙腸関節の動きの低下が症状をより強固にしていた

・背中や腰まわりの筋緊張がカラダ全体の硬さを作っていた

腰痛は腰だけの問題ではない事が非常に多いです。

腰や背中だけをほぐしても改善しにくい場合、お腹まわりや股関節周辺に根本的な原因が潜んでいることがあります。

「他の院で施術を受けたけれどすぐに戻ってしまう」という方は、腸腰筋や腹斜筋へのアプローチが抜けている可能性があります。

上野・稲荷町の整体院urokoBodyCareでは、腰痛に対してカウンセリングと動作確認を丁寧に行い、腰だけでなくお腹・股関節・背中など全体のバランスを評価した上で施術を行っています。

左腰の違和感や、腰を反らせると痛いという症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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腸腰筋が短縮するとどんな腰の症状が出ますか?

腰を後ろに反らす動作で痛みや詰まり感が出やすくなります。

また長時間座った後に立ち上がった瞬間に腰が伸びにくいという感覚も、腸腰筋の短縮によって起こりやすい症状の一つです。

デスクワークで腸腰筋が短縮しやすい理由は何ですか?

股関節を約90度に曲げた状態で長時間座り続けると、腸腰筋は縮んだ位置のまま固まりやすくなります。

意識して伸ばす機会がないままこの状態が毎日続くことで、短縮が定着してしまいます。

腹斜筋が腰痛に関係するというのはどういうことですか?

腰痛は腰周辺の筋肉だけが原因とは限りません。

お腹・股関節・背中・下肢など複数の部位が複合して問題を起こしていることがほとんどです。

根本にある原因(今回であれば腸腰筋・腹斜筋の短縮)にアプローチしないと、施術後にすぐ症状が戻りやすくなります。

デスクワーク中にできる腸腰筋への負担を減らすコツはありますか?

1〜2時間に1回は立ち上がり、片足を後ろに引いて股関節を軽く伸ばすストレッチが効果的です。

またイスの座面に深く座りすぎず、坐骨で体重を支えるような座り方を意識することで、腸腰筋が縮みっぱなしになる時間を減らすことができます。

具体的なストレッチ方法に関してはこちらの動画をご覧ください。

腰だけほぐしても腰痛が戻ってしまうのはなぜですか?

腰痛は腰周辺の筋肉だけが原因とは限りません。

お腹・股関節・背中・下肢など複数の部位が複合して問題を起こしていることがほとんどです。

根本にある原因(今回であれば腸腰筋・腹斜筋の短縮)にアプローチしないと、施術後にすぐ症状が戻りやすくなります。

参考文献

腰痛の左右差(左右に有意差なし)

Mailis A, et al. Pain laterality in relation to site of pain and diagnosis. Pain. 1985;23(2):149-155. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/4058928/

傍脊柱筋の左右非対称性(脊柱起立筋は左側がやや大きい傾向)

Fortin M, et al. Substantial asymmetry in paraspinal muscle cross-sectional area in healthy adults questions its value as a marker of low back pain and pathology. Spine. 2011;36(26):2152-2160. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21343855/

この記事を書いた人

魚住 享平
魚住 享平urokoBodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴19年)

これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。

<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦

最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています