更年期世代に増える腰痛の原因とセルフケアを柔道整復師が解説【上野・稲荷町】

この記事でわかること
・更年期に腰痛が増える3つの理由
・「ホルモン補充療法より運動が有望」という意外なデータ
・自宅でできるセルフケアと受診の目安
みなさん、こんにちは。
上野・稲荷町の整体院urokoBodyCareの魚住です。
今日は「更年期世代に増える腰痛」についてお伝えします。
「40代後半から急に腰の調子が悪くなった」「年のせいだと思って諦めていた」というご相談を、この年代の女性から受けることも少なくありません。
もちろん加齢そのものも一因ですが、実は更年期というタイミングに特有の、ホルモンの変化が腰の組織に影響しているというデータがあります。
今回は、そのメカニズムと自宅でできるケアについて、研究データを交えながらお伝えしていきます。
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この記事を書いた人

魚住享平
整体院urokoBodyCare院長
<資格>
柔道整復師(施術歴19年)
メディセリスト
のべ3万人以上の施術経験と解剖学に基づき施術を行っております。
更年期に腰痛が増える理由とは?
理由① 椎間板・関節の変化にエストロゲンが関わっている

椎間板や椎間関節の組織には、エストロゲンの受容体が存在することが分かっています。
エストロゲンは、椎間板の細胞の働きを保つ役割を担っており、閉経に伴ってエストロゲンが減少すると、椎間板の変性が進みやすくなります。
実際、閉経後の女性は同年代の男性と比べて椎間板の変性がより重度になる傾向があると報告されています。
(ちなみに、指や膝関節、股関節などにも同じ受容体があるため、女性の方が年齢とともに関節の変形が進みやすくなると言われています。)
補足1
「椎間板の変性」というと、水分が失われることだけをイメージされる方が多いのですが、実際にはそれだけではありません。
椎間板の中心部は生まれた時点で水分量が約85%前後あり、加齢とともに徐々に低下していきます。
しかし高齢になるにつれて全くなくなるのではなく、ゆるやかに低下し続けるのが実際のところです。
「変性」という現象は、水分量だけでなく、水分を保持する働きを持つ物質(プロテオグリカン)の減少、コラーゲンの変性、そして細胞そのものの老化など、複数の要素が同時に進行する事を意味しています。
エストロゲンは、この中でも特に細胞の働き(プロテオグリカンを作り続ける力)を保つ役割に関わっているとされており、閉経後はこの働きが低下することで、変性がより進みやすくなると考えられています。
更年期はヘルニアが増える年代ではない
「変性が進むなら、椎間板ヘルニアも増えるのでは?」と思われるかもしれませんが、実は逆です。
椎間板ヘルニアの発症は30〜40代でピークを迎え、それ以降の年代ではむしろ数が減ることが分かっています。
理由は、椎間板の中心にある髄核の性質の変化にあります。
ヘルニアは、水分を多く含みゲル状で圧力を持った髄核が、線維輪から押し出されることで起こります。
ところが変性がさらに進むと、髄核は水分を保持する力を失い、硬く線維質な組織に置き換わっていきます。
研究では、この状態になると髄核は本来持っていた「押し出す力」そのものを失うと説明されています。
線維輪に亀裂があっても、中身が硬く乾いていれば、押し出されることができなくなる、というイメージです。
つまり更年期世代の腰痛は、椎間板が急に飛び出す「ヘルニア型」というより、椎間板・関節・靭帯といった組織全体がゆっくりと変化していく「変性型」の腰痛が中心になる、というのがこの年代の特徴です。
理由② 黄色靭帯の肥厚

黄色靭帯は、背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)の後方を構成している組織ですが、更年期のホルモン変化がこの靭帯の肥厚と関連づけられていることが、最近のレビュー論文で報告されています。
黄色靭帯が厚くなると神経の通り道が狭くなりやすく、脊柱管狭窄症のリスク要因の一つになると考えられています。
脊柱管狭窄症については、こちらの記事をご覧ください!
理由③ サルコペニア・骨密度の低下
更年期は全身の筋肉量が減少しやすい時期(サルコペニア)でもあります。
腰を支える筋肉の力が弱まることで、椎間板や関節にかかる負担が増えやすくなります。
あわせて、エストロゲンの減少により骨密度も低下しやすく、特に胸腰椎移行部(背中と腰の境目あたり)で圧迫骨折のリスクが高まるとされています。
補足2 ホルモン補充より運動の方が効果的?
「ホルモンが原因なら、ホルモンを補えば良いのでは」と思われるかもしれません。
しかし2026年に発表されたレビュー論文では、更年期の腰痛に対して、ホルモン補充療法やビスホスホネート製剤よりも、運動療法のほうが有望な選択肢として位置づけられています。
身体を動かすことが、椎間板や骨、筋肉の状態そのものに良い影響を与える可能性がある、と言われています。
更年期の腰痛に対して整体ができること

当院では、更年期の腰痛に対して、弱くなりやすい部分の筋肉の状態、身体の使い方の癖、姿勢の崩れなどによって特定の椎間関節に負担が集中していないかを評価し、施術を行っています。
ホルモンの変化そのものに直接働きかけることはできませんが、身体を支える筋肉や関節の状態を整えることで、負担のかかり方を見直すお手伝いはできると考えています。
自宅でできること
自宅でできること① 筋力トレーニング
サルコペニア対策として、特に太ももやお尻など大きな筋肉を中心とした軽い筋力トレーニングがオススメです。
筋肉量を保つことで、腰への負担を分散させやすくなります。
自宅でできること② 骨に適度な負荷をかける運動
ウォーキングや軽いジャンプなど、骨に一定の負荷がかかる運動は、骨密度の維持に役立つとされています。
急に激しい運動を始めるのではなく、無理のない範囲から始めることが大切です。
自宅でできること③ 身体を反らしすぎない姿勢の意識
関節や椎間板に負担が集中しやすい年代だからこそ、日常生活で腰を反らしすぎる姿勢が続かないよう意識することもオススメです。
病院を受診する目安について
更年期は骨密度の低下による圧迫骨折のリスクもある年代です。
次のような場合は、自己判断でセルフケアを続けず、医療機関での評価をオススメします。
・これまでにない急激な激痛が出た場合
・しびれや脱力感を伴う場合
・安静にしていても痛みが軽快しない場合
更年期世代に増える腰痛の原因とセルフケア【まとめ】
更年期の腰痛には、エストロゲンの減少による椎間板・関節の変化、黄色靭帯の肥厚、サルコペニアや骨密度の低下といった、この年代特有の理由が関わっています。
「歳のせい」と片付けてしまいがちですが、研究では運動によるアプローチが有望とされており、諦める必要はありません。
当院では体の状態を評価しながら施術を行っておりますが、日頃からの筋力トレーニングや適度な運動といったセルフケアを組み合わせることが、長い目で見た腰の健康につながります。
気になる症状がある方は、無理をせず専門家にご相談ください。
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よくある質問
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更年期の腰痛は何科を受診すればいいですか?
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まずは婦人科や整形外科への相談がオススメです。
骨密度の低下が疑われる場合は骨密度検査を受けられる医療機関が適しています。
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ホルモン補充療法(HRT)を受ければ腰痛は良くなりますか?
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研究では、更年期の腰痛に対してHRTよりも運動療法のほうが有望とされています。
HRTについてはメリット・デメリットも含め、婦人科医との相談をオススメします。
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更年期の腰痛と若い頃の腰痛は何が違いますか?
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若い世代ではヘルニアなど急な椎間板の飛び出しが目立ちますが、更年期以降はエストロゲンの減少に伴う椎間板・関節・靭帯のゆるやかな変化が中心になる傾向があります。
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閉経後、何年くらいでこうした変化が現れますか?
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個人差が大きく一概には言えませんが、エストロゲンの減少が始まる更年期の時期から徐々に進行するとされています。
早めのセルフケアがオススメです。
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運動はどのくらいの強度から始めればいいですか?
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ウォーキングなど軽い負荷から始め、身体の状態を見ながら少しずつ強度を上げていくことをオススメします。
持病がある方は医療機関に相談の上で始めてください。
参考文献
Pang H, Chen S, Klyne DM, et al. Low back pain and osteoarthritis pain: a perspective of estrogen. Bone Res. 2023;11:42. PMID: 37542028
Chagas J, Gilmer G, Sowa G, Vo N. Impact of Menopause and Associated Hormonal Changes on Spine Health in Older Females: A Review. Cells. 2026;15(2):148. DOI: 10.3390/cells15020148
Sivan SS, Hayes AJ, Wachtel E, et al. Biomechanics of Intervertebral Disc Degeneration. Orthop Clin North Am. PMID: 21944586
Liu Y, Zhang M, Kong D, et al. High follicle-stimulating hormone levels accelerate cartilage damage of knee osteoarthritis in postmenopausal women through the PI3K/AKT/NF-κB pathway. FEBS Open Bio. 2020;10(10):2235-2245. PMID: 32911565
この記事を書いた人

- urokoBodyCare院長
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<資格>
柔道整復師(施術歴19年)
これまで培ってきた技術や解剖学に基づき施術を行っております。
クライアントのお話を伺うことも大好きなので身体のお悩みだけでなく、そのほかのお話も聞かせてください。
<出身> 富山県
<生年月日> 1988年6月30日
<血液型> O型
<趣味> ゴルフ、街歩き、お酒を飲むこと(ハイボール)、野球観戦
最近は仕事のあとに稲荷町・上野・浅草エリアを街歩きをして新しい飲み屋さんや行きたい場所を見つけることにハマっています








